小、中、高校生の自殺者数が527人に上り、過去最多となったことが1月29日、警察庁の統計を基に厚労省がまとめた2024年の自殺者数(暫定値)で明らかとなった。前年と比べて男子が減った一方で女子が増え、初めて女子が男子を上回った。
24年1~12月の自殺者数は2万268人で、統計を取り始めた1980年以降、2番目に少なかった。一方で、子どもの自殺に着目すると小学生は15人、中学生は163人、高校生は349人で、小、中、高校生の自殺者は前年より14人増えた。
22年以降、男子は減少が、女子は増加が続いており、男子は239人で前年より20人減ったものの、女子は288人で34人増え、初めて女子が男子を上回った。
自殺の原因・動機で学校問題は578人となり、前年より54人増えた。内訳は▽学業不振 162人▽入試に関する悩み 49人▽進路に関する悩み(入試以外) 158人▽いじめ 12人▽学友との不和(いじめ以外) 96人▽教師との人間関係 13人▽性別による差別 2人▽その他 86人――だった。
子どもの自殺の増加を巡っては、23年に政府の関係省庁連絡会議は「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を策定。「SOSの出し方に関する教育」を年に1回受けられるようにし、子どもの自殺の要因分析や、1人1台端末を活用した自殺リスクの早期発見などの取り組みを進めているが、高止まりの状態が続いている。政府は近く、関係省庁連絡会議を開き、強化プランの進捗状況などを協議する。
【キーワード】
SOSの出し方に関する教育 深刻な悩みや不安などの危機的状況に対し、子どもが身近の信頼できる人に援助希求行動を取れるようにし、それを受け止め、適切な支援ができるようにすることを目的にした教育。子どもの自殺を予防する取り組みとして、国は各学校で少なくとも1年に1回は実施することを求めている。