教育無償化3党協議 学校給食費含めて今月中に方向性提示へ

教育無償化3党協議 学校給食費含めて今月中に方向性提示へ
学校給食費の無償化などを巡り意見が交わされた3党協議=撮影:山田博史
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 教育無償化に向けた自民、公明、日本維新の会の3党による実務者協議が2月3日、国会内で開かれ、今年4月からの高校の授業料無償化を求めている維新が、学校給食費や0歳から2歳児までの保育の無償化についても来年4月から実施したいと提案した。これに対し会合では財源などの課題が示されたといい、3党で2月中旬をめどに、高校授業料に加えて学校給食費も盛り込んだ教育無償化について、一定の方向性を示すことになった。

 同協議会は、前回までは高校授業料の無償化に絞って議論が交わされ、維新が今年4月から所得制限を撤廃した無償化の実施を求めたのに対し、与党側は実務負担や財源の問題などから難色を示した。その結果、維新は一部先送りを認めて、今年4月とそれ以降の2段階実施に向けて協議を続けている。

 3日の協議では、維新の金子道仁参院議員が、学校給食費や0歳から2歳児までの保育無償化について改めて党の方針を説明し、来年4月からの実施を目指したいとの意向を示した。これに対して会議に出席した政府関係者から財源や保育人材の確保などの課題が示され、各党の出席者による議論が交わされたという。

 学校教育費の無償化を巡っては、維新と立憲民主党、国民民主党の野党3党が昨年12月、学校給食法改正案(学校給食無償化法案)を衆議院に共同提出しているが、会合のあと柴山昌彦衆院議員(自民)は「野党の皆さまが法案を提出した当時の状況と、協議をしている今の状況では若干違いがある気もしている。(3党協議の中で)しっかりとした議論、課題整理をした形ができると考えている」と述べ、法案とは切り離して論点を整理する姿勢を示した。金子議員も「論点をしっかり深めることで、合意に至る内容が決まってくると考えている」と述べた。

 3党はすでに高校授業料の無償化について、今月中旬をめどに一定の方向性を示す方針を明らかにしているが、これに加えて柴山議員は「学校給食費の無償化なども含めて何らかの成果物を目指している」と述べて、3党合意の中に給食費無償化も盛り込む意向を示した。

 ただし、維新が教育無償化について全般的にまとめた「プログラム法」の策定を提案しているのに対し、与党側は「法律となるとさまざまな手続きも必要なので、より機動性の高い合意文書としたい」との考えを示しているといい、さらに今後の協議で詰めることにしている。

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