地元野菜ファンを増やす 日野第七小が「日野ベジフェス」を開催

地元野菜ファンを増やす 日野第七小が「日野ベジフェス」を開催
農家直送の日野産の野菜を販売する子どもたち=撮影:松井聡美
【協賛企画】
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 みんなに「日野野菜」のファンになってもらいたい――。東京都日野市立日野第七小学校(大西浩之校長、児童571人)の5年生はこの1年間、総合的な学習の時間で地元の日野産の野菜について探究してきた。その魅力や農家の工夫を伝えようと、1月25日、日野中央公園で「日野ベジフェス」を開催し、農家直送の野菜の販売や、日野産の野菜を使った総菜パンの販売、市内の農家を紹介するプレゼンやゲームコーナーなどが展開された。

 同校は2024~25年度、同市教育研究奨励校として「地域への思いを大切にする児童の育成」を研究主題に、生活科・総合的な学習の時間に取り組んできた。

 5年生は、日野市で都市農業が盛んなことに注目し、日野産の野菜について探究してきた。5年生担任の丸山圭花教諭は「地域の方とのコラボレーションにたくさんチャレンジし、教師が教えるのではなく、地域の方々から教わることを目指してきた」と話す。

 1学期は「七ツ塚ファーマーズセンター」で、野菜を売る人から日野産の野菜の魅力や、都市農業について話を聞いた子どもたち。市内の玉ねぎ農家や、樽型の容器で栽培する「樽トマト」農家では、実際に畑で収穫作業をするなど、本物に触れる体験を重ねた。7月には校内で「ベジフェス」を開催して、保護者に向けて農家の紹介や、野菜の販売などを行った。

 2学期に入ると、子どもたちから「保護者だけでなく、もっと地域の人に向けてベジフェスがしたい」との声が上がった。学びを深める中で「自分たちが使うだけでは、日野野菜は救えない、日野の農家さんも救えない」と、家庭用レシピとお店用レシピを作成。家庭用レシピは日野野菜の料理を教えているグループ「日野菜ママ」にアドバイスをもらい、お店用レシピは地元の飲食店にメニュー化してもらうため、プレゼンもしてきた。

 学校のホームページ上では、こうした活動を発信しようと、子どもたちがブログを開設。農家での体験や、開発したレシピの紹介、1月のベジフェスの告知なども発信した。

 そして、晴天に恵まれた1月25日、朝から日野中央公園ではさまざまなブースが展開されていた。販売ブースでは、農家直送のトマトやニンジン、白菜などの日野産の野菜や、地元のパン屋の協力による子どもたちが考えた日野野菜を使った総菜パンなどが並ぶ。それぞれの商品は飛ぶように売れていき、予定していた販売数は早々に売り切れていた。

地元パン屋の協力を得た、子どもたちが考えた日野野菜を使った総菜パンも大人気=撮影:松井聡美
地元パン屋の協力を得た、子どもたちが考えた日野野菜を使った総菜パンも大人気=撮影:松井聡美

 他にも日野市の農家の1年を表現したすごろくや、日野野菜にまつわるかるたなどで遊べるイベントコーナーがあり、日野市の農家の魅力やこだわりなどについて、熱い思いのこもったプレゼンも行われた。ベジフェスに訪れた人たちは、「そんなこと知らなかった!」「よく調べたね」と子どもたちのプレゼンに感心しきりだった。

 また、子どもたちは「ぜひ見てください!」と一声掛けながら、日野野菜を使ったレシピ、農家を紹介するパンフレットや漫画、市内で日野野菜が売っているマップなども配布していた。

 丸山教諭は5年生について「1年かけてたくさんの農家さんと知り合い、その苦労や大変さも知る中で、子どもたちの中に『地域の人たちに日野野菜の魅力を伝えたい』という思いがどんどん大きくなっていった」と話し、大西校長は「1学期、2学期と本物に触れながら探究する中で、子どもたちの学びに向かう姿勢が育っていった。また、地域への思いが高まり、発信力もついてきている」と成長に目を細めた。

 同校では2月7日に、今回の5年生の取り組みも含めた研究発表会が行われる。

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