24年の児童虐待の摘発数、過去最多 「身体的虐待」が8割

24年の児童虐待の摘発数、過去最多 「身体的虐待」が8割
iStock.com/kieferpix
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 2024年の1年間に、警察が児童虐待で親などを摘発した件数は2649件(暫定値)に上り、過去最多となったことが2月6日、警察庁の発表で明らかになった。虐待の内訳は「身体的虐待」が2136件で全体の約8割。また子どもを取り巻く犯罪では、SNSを通じた被害が1488人と高い水準にあるほか、児童ポルノなどインターネット上の「違法情報」も増えた。一方、子どもが加害者になる犯罪も増加傾向にあり、少年犯罪の検挙数は2万1762人に上り、全ての罪種で前年を上回った。

 児童虐待を巡っては、警察による24年の摘発件数は2649件(前年比264件増)で、14年の698件から3.8倍となった。内訳は「身体的虐待」が2136件で、約8割を占め最多。以下、▽「性的虐待」 431件▽「心理的虐待」 54件▽「怠慢・拒否(ネグレクト)」 28件――が続いた。

 また24年中に、警察から児童相談所に虐待の疑いがあるとして通告した子どもの数は12万2378人(同14人減)だった。過去最多となった23年をわずかに下回ったものの、この10年で4.2倍に増加。通告件数では「心理的虐待」が9万418件で最も多く、次いで▽「身体的虐待」 2万1534件▽「怠慢・拒否(ネグレクト)」 1万80件▽性的虐待 346件――となった。

 インターネット関連の犯罪では、裸の写真を強要されるなど「SNSをきっかけとした犯罪」で被害に遭った18歳未満の数は、1488人(前年比177人減)。ネット上の有害情報の削除要請を担う「インターネット・ホットラインセンター」が受けた通報のうち、児童ポルノなどの「違法情報」は6万6834件(前年比3万3634件増)だった。

 一方、子どもが加害者になる犯罪も増えつつある。24年の少年犯罪の検挙数は2万1762人(前年比2813人の増)となり、3年連続の増加。中でも「不同意性交等」は286人(前年比49.7%増)、「強盗」は467人(同41.9%増)、「性的姿態撮影等処罰法違反」は638人(同474.8%増)で大幅に増えた。

 これらの結果を受け、警察庁は「街頭補導や学校での広報啓発、少年の立ち直り支援等の活動を通じて、非行少年を生まない社会づくりのための取り組みを推進する」と強調した。

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