高校生に英語を使ったコミュニケーションへの意識を持ってもらおうと、大阪府教育委員会は2025年度から、全ての府立高校が順次、海外の学校と姉妹校提携を結び、生徒が短期留学する取り組みを始める。AIによる英語学習ツールも導入し、英語力の向上につなげる。
府教委によると、145校ある府立高校のうち、すでに3分の1程度の高校が海外の学校と姉妹校提携をしている。25年度からスタートする「全府立高校海外短期留学支援事業」では、3年程度をかけて、他の高校についても海外の学校と姉妹校提携を締結していき、府立高校の生徒が姉妹校を訪問し、1週間程度の短期留学を支援する。府立特別支援学校9校でも実施する予定。
短期留学に参加する生徒は毎年約20人を想定し、渡航費や宿泊費などとして1人当たり10万円を補助。教員も引率する。
また、23年度から開発してきたAIを活用した英語学習ツール「BASE in OSAKA」を、25年度には府立高校に入学する1年生から本格導入し、海外の人とのコミュニケーションに必要な英語力の基礎を身に付ける。「BASE in OSAKA」は話す技能の育成に特化したツールで、生徒の学習者用端末から、個々の英語力に応じた課題に取り組むことができる。
2月4日の記者会見で支援事業について説明した吉村洋文知事は「大阪・関西万博のレガシーとして、府立高校における英語の話す力、また英語で話そうとするマインド、オープンマインドでコミュニケーションを取ろうとする姿勢、そして日本以外の世界の価値観に触れるということを、ぜひやってもらえたら」と期待を寄せた。
【キーワード】
英語教育 グローバル化が進む中、日本では英語力の育成を強化している。小学校では2020年度から5・6年生で「外国語」が教科となり、3・4年生では「外国語活動」が始まった。中学校・高校でも、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を活用したコミュニケーション能力の育成が求められている。