「学校における業務のスリム化を図っていく」 東京都の働き方改革

「学校における業務のスリム化を図っていく」 東京都の働き方改革
iStock.com/coffeekai
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 東京都教育委員会は2月4日、学校における働き方改革の進捗(しんちょく)と今後の展開について取りまとめ、公表した。時間外在校等時間が月45時間を超える教員の割合が減少傾向にあるなど、一定の進捗はあるものの、依然として長時間勤務の教員が多い状況は変わっておらず、来年度は学校・教員以外でも担うことが可能な業務を段階的にアウトソーシングしていく取り組みなどを、新たに推進する。

 都教委は2024年3月に、集中的に取り組むべき具体的な対策をまとめた「学校における働き方改革の推進に向けた実行プログラム」を策定。

 24年度は、モデル校4校においてコンサルタントを活用し、学校教員が担うべき業務の精査などを実施した学校業務改革支援や、小学校で新規採用教員メンターの導入、小学校低学年において副担任相当の業務を担うエデュケーション・アシスタントや副校長補佐、部活動指導員の配置拡充などの外部人材の活用を進めてきた。

 また、専科教員の加配による小学校高学年の教科担任制の推進、DXの推進などによる負担軽減・業務の効率化にも取り組んできている。

 その結果、時間外在校等時間が月45時間を超える教員の割合が減少傾向にあること、教職員のストレスチェックの値が改善していること、男性教員の育児休業取得率の目標を達成していることなど、一定の進捗が見られた。

 しかし、一方で依然として長時間勤務の教員が多い状況であり、特に「仕事に対するやりがい」の成果指標では、「授業準備の時間がと取れていると感じている教員の割合」が30.7%、「児童生徒の悩みや相談に対応する時間が取れていると感じている教員の割合」が41.1%にとどまっているなど、更なる改革の必要があるとした。

 こうした状況を受け、来年度は時間外勤務の大幅縮減やライフ・ワーク・バランスの向上などのため、新たな取り組みも推進していく。

 例えば、小中学校の150校程度において、学校・教員以外でも担うことが可能な業務について、段階的に外部委託を推進していく。学校徴収金管理や、学校施設開放手続き、就学時健康診断などを、外部委託対象業務の例として検討している。

 また、コンサルタントを活用した業務改革支援を、5区市町村教委の20校で新たに行う。都立学校においては、学校が抱える課題に対して、弁護士が学校に訪問して対応する伴走型支援体制の構築も新たに行う。

 その他、都立学校のモデル校で、教員にスマホなどを貸与し、メールやチャットなどのアプリケーションの有効活用や、教務手帳の電子化を検証し、校務のデジタル化を推進する。

 2月4日に行われた都教委の第2回定例会において報告された際に、都教委の担当者は「学校における業務のスリム化を進め、教員が健康で、やりがいを持って働ける環境づくりに努めていく」と強調した。

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