川崎市教育委員会は2月10日、市立中学校の3年生の年間総授業時数が標準を下回るケースが複数確認されたとする調査結果を公表した。これらの中学校では、新たに授業を行うことで不足分を補う。
学校教育法施行規則で中学校の授業の1コマの単位時間は50分とされ、年間の総授業時数は1015を標準としている。授業の1単位時間は各学校で創意工夫し、弾力的な時間割とすることも認められている。
しかし、今年1月に市立宮崎中学校で通常より5分短い45分授業を導入したところ、3年生の年間総授業時数が19時数不足する見込みであることが分かったため、市教委は1月24日~2月7日に、全ての市立学校の授業時数を調査。
その結果、宮崎中に加え6中学校の3年生で、4~15時数の不足が生じる見込みであることが確認された。他の校種、学年では、年間の総授業時数は標準以上を確保できていた。
各中学校の判断で45分授業の日課を何日か設けていたが、3年生は卒業式の日程の関係で、1、2年生よりも授業日数が少なく、本来の50分の単位時間で換算すると授業時数が不足する事態を招いた。
不足した学校では、高校入試が終わった後に追加で授業を実施するなどして、足りない時数を確保する。
市立学校は年度初めに市教委に年間を通した授業時数の計画表を提出しているが、市教委では2025年度以降、年度途中で調査をするなどして、授業時数が確保されているかを把握する再発防止策を実施する。
【キーワード】
標準授業時数 学習指導要領で示している各教科などの内容を指導するのに必要な時数を基に、国が定めた学年ごとの年間の授業時数の基準。小学校は45分、中学校は50分を単位時間としている。