「Right!」「No, No」「Down」「Stop!!」――。2月20日、埼玉県新座市立新堀小学校(若林寿校長、児童446人)の体育館では、英語の指示や笑い声が響き渡っていた。この日は同校に近隣の東京都東久留米市にあるインターナショナルスクール「CHRISTIAN ACADEMY IN JAPAN(CAJ)」のフォース・グレード(日本の小学5年生相当)の児童30人が訪れ、同校の4~6年生と1日交流学習を行った。4年生とは、習字体験や福笑い、紙飛行機づくり、ソーラン節を踊ったりして楽しみ、「英語や身ぶり手ぶりで伝わったことがうれしい!」と子どもたちの笑顔がはじけていた。
同校では2022年からCAJと、お互いの学校に児童を通わせる交換留学体験や、1日交流学習を実施してきた。この日は朝からCAJの30人の児童が来校。新堀小の4~6年生がそれぞれ考えたイベントなどで、国際交流を楽しんだ。
4年生とCAJの子どもたちは、最初に習字体験に挑戦。書き初め用紙を並べ、4年生が見本を示しながら、「Let's copy(まねしてみよう)」とCAJの子どもたちに促す。4年生は「筆を立てるとか、筆の使い方を伝えるのが難しい」と悩みながらも、一画書くごとに「Nice!(いいね)」と笑顔で声掛けし、一緒に作品を仕上げていった。作品は名前も入れて、持ち帰れるようプレゼントされた。
続いて取り組んだのは、日本の伝統的な遊びの「福笑い」。グループごとに個性豊かな手作りの福笑いが用意されており、身振り手振りも加えながら、やり方を説明していた。目隠しをしたCAJの子に「Ear(耳)」「Nose(鼻)」と伝えながらパーツを渡し、「Right!(そこ)」「Up、Up!(もっと上)」「Down!(もっと下)」「Stop!(止めて)」などと指示を出しながら、大盛り上がり。一気に距離が縮まっている様子だった。
その後も一緒に紙飛行機をつくって、誰が一番遠くまで飛ばせるかを競ったり、4年生が今年度の運動会で踊った「ソーラン節」を教えて、全員で踊ってみたりするなど、2時間たっぷり交流を楽しみ、4年生は「3年生の時よりもたくさん話せたし、友達もできてうれしかった」「今日は最高だった!」と声を弾ませていた。
実は、昨年度の交流学習の際には、あまりコミュニケーションが取れなかったという4年生。子どもたちから「もっと英語で話したい」と声が上がり、今年度は「どうやったらもっとコミュニケーションが取れるか」を、みんなで考えてきたのだという。
若林校長は「この日までに、図工や外国語活動など、教科横断で計画を立てたり、準備をしたりしてきた」と子どもたちの様子に目を細める。同校の国際交流担当の渡辺亮太教諭は「子どもたちの『伝えたい』という気持ちなど、意欲が高まればいいと思っている。今日のような『通じた』『伝わった』という体験が重ねられたら」と話した。
この日は、他にも5年生が「Favorite place(お気に入りの場所)」を英語で発表したり、給食を一緒に食べたりして交流を深め、6年生は体育館でさまざまな遊びを用意した「子どもまつり」でもてなした。