社会課題解決へ大学連合設立 教育プログラムなどで連携

社会課題解決へ大学連合設立 教育プログラムなどで連携
「共助資本主義の実現に向けた大学連合」の設立を発表する東京大学の藤井総長(中央)と上智大学の曄道学長(右)=撮影:水野拓昌
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 東京大学など13大学が参加し、子ども、若者の貧困や経済格差による子どもの体験格差といったさまざまな社会課題解決の担い手として学生や研究者の交流、実践の場を提供する「共助資本主義の実現に向けた大学連合」が2月17日、東京都内で設立総会を開いた。今後、共助資本主義を掲げる経済同友会や企業、NPOと連携し、社会課題解決のための人材育成や産学連携による共同調査・研究などに力を入れていくという。

 共助資本主義は、民間主導による経済成長と社会課題を解決する共助を両立させた持続可能な社会モデルとして、経済同友会が2023年から提唱している。

「共助資本主義の実現に向けた大学連合」に参加した各大学や企業団体の関係者
「共助資本主義の実現に向けた大学連合」に参加した各大学や企業団体の関係者=撮影:水野拓昌

 この日、第一ホテル東京(東京都港区)での設立総会後の記者発表には、大学連合共同発起人の東京大学・藤井輝夫総長、上智大学・曄道(てるみち)佳明学長と経済同友会の「共助資本主義の実現委員会」委員長の髙島宏平副代表幹事(オイシックス・ラ・大地社長)らが出席。藤井総長と曄道学長は同委員会副委員長にも就いている。

 藤井総長は「大学の知見を生かしながら進めたい。社会課題解決にモチベーションのある学生は多くいるが、これまで十分に後押しできていなかったという問題意識があった。今回の設立総会でも同様の課題を重要視しているという声は各大学から挙がった」と説明した。

 大学連合には東京大学、上智大学のほか、東京外国語大学▽中央大学▽関西大学▽法政大学▽東北大学▽立命館大学▽早稲田大学▽立教大学▽東京科学大学▽大阪大学▽帝京大学――が参加。曄道学長は「まずは13大学でスタートし、実際に動くことが重要。うねりを起こし、今後、広がっていくことが望ましい。軌道に乗った段階でさらなる参加を呼び掛けたい」と述べた。

 今後の取り組みとしては、①教育プログラムの設立(所属大学にかかわらず学生が参加可能な社会課題解決関連プログラムを設立)②学部生の社会起業支援プログラム(公益法人と連携した学部生向け社会起業支援、スタートアップ支援)③大学のソーシャルセクター連携(各大学の既存プログラムにおけるインパクトスタートアップやNPO代表の紹介・連携)④震災復興ボランティア(能登半島地震の被災地でボランティア活動をしている学生間の連携強化と、継続的な地域連携活動)⑤社会課題解決型インターンシップ(企業の社会課題解決に関わるインターンシップを学生向けに広く周知・案内)――といった活動を予定している。

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