第13期中教審委員を任命 31歳の廣津留さんら女性が約半数

第13期中教審委員を任命 31歳の廣津留さんら女性が約半数
中教審委員に任命された廣津留すみれさん=撮影:市川五月(2021年11月)
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 阿部俊子文科相は3月10日、第13期中央教育審議会(中教審)の委員29人を任命した。31歳の廣津留(ひろつる)すみれさん(バイオリニスト、国際教養大学特任准教授、成蹊大学客員准教授、大分市教育委員)を含めて女性が約半数に上ったほか、今後の高等教育を巡る議論を視野に大学の学長ら5人が任命された。任期は2年間で、17日に開かれる総会で会長が選任される。

 29人の委員のうち13人が新任。第12期委員に30代はいなかったが、今回は廣津留さんと新潟県津南町の桑原悠町長(38歳)の女性2人が任命された。女性委員は前回より2人増えて14人となり約半数に上った。

 廣津留さんは、ハーバード大学とジュリアード音楽院を卒業後、バイオリニストとして活動しながら英語セミナー開催などに取り組み、文部科学省の留学促進方策などを検討する「Global×Innovation人材育成フォーラム」委員も務めた。若さに加えてグローバルな視点から人材育成に関する意見が期待されている(教育新聞による過去のインタビュー記事はこちら)。桑原町長は2018年に津南町長に就任し、現在2期目。子育てしながら町長業務に努め、訪問相談員による学校や家庭訪問など子育て政策などに力を入れており、地方の若い首長としての意見が期待される。

 大学の学長らが5人(慶應義塾大学、山口県立大学、東北大学、桐蔭横浜大学、金沢大学)任命されたのも特徴。高等教育を巡っては今年2月、中教審答申「我が国の『知の総和』向上の未来像~高等教育システムの再構築~」がまとめられており、国公私立と地方のバランスを考慮して選ばれた学長らには、今後の高等教育の在り方を巡る議論への意見が求められる。

 第13期中教審の委員は次の通り。〇は新任。50音順、敬称略。

 秋田喜代美(学習院大学文学部教授、東京大学名誉教授)

 安孫子尋美(株式会社ニトリホールディングス取締役、人材教育部ゼネラルマネジャー)

〇伊藤公平(慶應義塾塾長)

 今村久美(認定特定非営利活動法人カタリバ代表理事)

〇岩本悠(一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事)

 内田由紀子(京都大学人と社会の未来研究院院長・教授)

 清原慶子(杏林大学客員教授、前東京都三鷹市長)

〇桑原悠(新潟県津南町長)

 坂本雅彦(東京都教育委員会教育長、全国都道府県教育委員会連合会会長)

 貞広斎子(千葉大学副学長・教育学部教授)

〇田中マキ子(山口県立大学学長)

〇都竹淳也(岐阜県飛騨市長)

 戸ヶ﨑勤(埼玉県戸田市教育委員会教育長)

〇冨永悌二(東北大学総長)

 奈須正裕(上智大学総合人間科学部教授)

 萩原なつ子(独立行政法人国立女性教育会館理事長)

 橋本雅博(住友生命保険相互会社取締役会長・代表執行役、 日本経済団体連合会教育・大学改革推進委員長)

〇浜田麻里(京都教育大学副学長・教授)

〇廣津留すみれ(バイオリニスト、国際教養大学特任准教授、成蹊大学客員准教授、大分市教育委員)

〇藤田大輔(大阪教育大学健康安全教育系教授)

 古沢由紀子(読売新聞東京本社編集委員)

 堀田龍也(東京学芸大学教職大学院教授、学長特別補佐)

〇森朋子(桐蔭横浜大学学長)

〇両角亜希子(東京大学大学院教育学研究科教授)

〇山口祥義(佐賀県知事)

 吉岡知哉(独立行政法人日本学生支援機構理事長)

 吉田晋(学校法人富士見丘学園理事長、富士見丘中学高等学校長、日本私立中学高等学校連合会会長)

 渡辺弘司(公益財団法人日本学校保健会副会長、公益社団法人日本医師会常任理事)

〇和田隆志(金沢大学学長)

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