米教育省が職員の半数を解雇へ 「廃止に向けた1歩」と長官

米教育省が職員の半数を解雇へ 「廃止に向けた1歩」と長官
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 米教育省は3月11日(日本時間の同12日)、同省の職員を約半数に削減すると発表した。トランプ政権が進める政府効率化の一環で、解雇される職員は約1300人に上る見通し。また、600人近い職員が自主退職などの勧奨制度を受け入れたという。ドナルド・トランプ大統領は教育行政の権限を全米各州に移すべきとし、選挙戦中から同省の「解体」を公約に掲げていた。

 発表によれば、トランプ氏の大統領就任時に4133人だった同省職員を、2183人にまで削減する。解雇の対象者は同月21日から休職扱いになるが、6月9日までの給与、勤続年数に応じた退職金を受け取ることはできるとしている。

 同省のリンダ・マクマホン教育長官は職員の大幅削減について「学生、保護者、教師に財源を確実に投入するための取り組み」であり、「米国の教育制度の偉大さを取り戻すための重要な一歩」とするコメントを発表。さらに11日、保守系ケーブルテレビ局「FOXニュース」の番組に出演したマクマホン長官は、司会者から「完全廃止に向けた第一歩か」と質問され、「その通り。それが大統領から指示された任務だ」と明言した。

 職員の大量解雇を受け、米最大労組の「米労働総同盟・産別会議(AFL・CIO)」は会長による声明で、「職員の半数を解雇して教育省が機能しなくなれば、何百万人もの子どもに成功の機会を与えている資源、プログラム、保護が危険にさらされることになる」と批判し、教育省の意義を「経済的に余裕のない勤労家族が大学や専門学校に通えるよう、財政援助と学生ローンを提供してきた」と強調した。

 教育省は低所得者や障害がある学生らへの奨学金、助成制度を「引き続き実施していく」とする一方、省内の全部門が解雇の影響を受けていることから、「一部で大幅な再編が必要」としている。

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