年内の学力試験実施を条件付き容認の方向 大学入試協議会

年内の学力試験実施を条件付き容認の方向 大学入試協議会
iStock.com/taka4332
【協賛企画】
広 告

 大学入試方法の改善などを検討する文部科学省の「大学入学者選抜協議会」が3月13日、同省で開かれ、今年9月以降に行われる総合型・学校推薦型選抜について、面接や小論文などと組み合わせることを条件に学力試験を実施することが容認される見通しとなった。大学側の提案に対して、高校側から目立った異論はなかった。同協議会では引き続き議論を重ね、同省は結果を踏まえて6月ごろに2026年度入学者向けの大学入試の実施要項をまとめ、公表する方針。

 協議会は非公開で行われ、日本私立大学連盟や全国高等学校長協会など、大学や高校の関係団体の代表者らが出席した。大学入試を巡っては、学力試験で選抜する一般入試は「2月1日から」と定められ、主に前年9~12月にかけて行われ、「年内入試」といわれる総合型・学校推薦型選抜については調査書や面接、小論文などで合否判定が行われている。

 しかし、一部の私立大学で事実上、学力試験のみで選抜する入試が行われていたほか、試験期日が守られていない選抜が行われている実態が確認されているとして、同省は昨年10月、大学や高校の関係団体に入試ルールについて意見を求め、高校側からルール徹底を求める意見が多かったことを踏まえて昨年12月、学力試験の期日を順守するよう全大学に通知していた。

 こうした経緯も踏まえて同日の会議で、大学側が総合型・学校推薦型選抜について新たな提案を示した。この中で、「多面的・総合的な評価を実施するという基本原則に立ち戻る」とした上で、調査書や推薦書に加えて、小論文や面接、実技検査など2種類以上の評価方法を組み合わせて選抜を行うこととし、「評価方法の1つとして、教科科目に係る基本的な知識を問うテストで基礎学力を把握することも認めていただきたい」と提示した。

 ただし、学力試験を実施する場合は、実施時期が主に年内になると想定されることから、基礎的な内容や範囲に限定するという配慮も併せて示した。

 文科省によると、この提案に対して高校側からは目立った異論はなかったといい、条件付きで年内に学力試験を実施することが容認される見通しとなった。両者は引き続き詳しい内容について協議を重ね、文科省は結果を踏まえて今年6月ごろに、2026年度入学者向けの大学入試の実施要項をまとめて公表することにしている。

広 告
広 告