「社会」「公民」授業に活用を 三議長会が主権者教育用リーフレット

「社会」「公民」授業に活用を 三議長会が主権者教育用リーフレット
リーフレットを手にPRする(左から)渡部会長、山本会長、坊会長=撮影:山田博史
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 人口減少や高齢化で地方議会の議員の成り手不足が課題となる中、小中学生に地方議会を身近に感じてもらおうと、全国都道府県議会議長会など3つの議長会、社会や公民の授業などに活用できる「主権者教育用リーフレット」を3月14日に公表した。人気漫画「葬送のフリーレン」のキャラクターを活用して分かりやすく地方議会を学べる内容で、今後、全国の地方議会に呼び掛けて、小中学校での出前講座などに活用したいとしている。

 リーフレットを作成したのは、全国都道府県議会議長会(会長・山本徹富山県議会議長)と全国市議会議長会(会長・坊恭寿神戸市会議長)、全国町村議会議長会(会長・渡部孝樹北海道厚真町議会議長)の三議長会。同日、各議長会の会長が記者会見してリーフレットの内容を説明した。

 リーフレットは小中学生向けの「フリーレンたちと学ぶ地方議会」と高校生・大学生向けの「あなたと共に創る未来」の2種類で、各2万部作成された。「葬送のフリーレン」のキャラクターのセリフなどを通して、地方議会が条例をつくったり、市区町村の予算を決めたりする役割を果たしていることなどを説明している。「葬送のフリーレン」を起用した理由について三議長会は、若者から中高年まで幅広く人気があることや故郷を愛して仲間と議論しながら課題解決に取り組むストーリーが議長会の思いと一致していることなどを挙げている。

 3人の会長は会見でそれぞれリーフレット作成に込めた思いを述べた。渡部会長は「町村議会議員選挙は全国的な人口減少や高齢化の影響で無投票当選や定数割れが増え、議員の成り手不足が深刻な課題となっている。子どもたちが地方自治や地方議会に興味を持ち、地域の課題や未来を考える機会につながることを期待する」と述べた。

 坊会長は「地方議会では議会報告会など努力を続けているが、参加者の多くは成人で、地域の未来を担う子どもに対して議会が直接役割を伝える機会が少ない。リーフレットを携えて議員自らが学校に出向き、説明することなどに取り組みたい。議員の成り手不足が深刻な中、後を継いでいける人材をわれわれの手で育てていくことも一つの目的だ」と強調した。

 山本会長は「(全国都道府県議会議長会の調査によれば)地方議会と連携した小中高校などでの主権者教育の取り組みは全体の3.9%しかなく、学校関係者から親しみやすいリーフレットがあると伝えやすいとの声が寄せられていた。特設サイトから自由にダウンロードできるので、主権者教育の現場をはじめ家庭や地域の集まりなどでも活用してほしい」と述べた。

 三議長会は今後、全国の地方議会に学校での出前講座などでの活用を呼び掛けることにしている。また、リーフレットには掲載していない、地方議会の詳しい役割や地方議会の豆知識などを掲載した特設サイトも公開しており、全国の学校などに活用を呼び掛けている。

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