ニセ情報に惑わされないICTリテラシーを 総務省が教材公表

ニセ情報に惑わされないICTリテラシーを 総務省が教材公表
ICTリテラシー向上に向けて総務省が開発した教材=総務省ホームページより
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 インターネット上にニセ・誤情報があふれる中、総務省は3月19日、青少年などにデジタル社会に必要なICTリテラシーを身に付けてもらうための教材を作成し、同省ホームページで公表した。教材は「安全確保」や「他者・社会とのコラボ」など、5分野のリテラシーについて必要な知識をまとめたものと、ニセ・誤情報への留意点をまとめたものの2種類があり、同省は「講師用のガイドラインもあるので、学校の授業などにも活用してほしい」と呼び掛けている。

 作成された教材は、「5つの分野のICTリテラシーを学ぼう~つくろう!守ろう!安心できる情報社会~」と「インターネットとの向き合い方~ニセ・誤情報にだまされないために~」。総務省は今年1月から、通信事業者やIT関連企業などと官民連携で、インターネット利用者のICTリテラシー向上を目指すプロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION(デジタルポジティブアクション)」を展開しており、その一環として作成された。

 このうち「5つの分野のICTリテラシーを学ぼう」の青少年向け教材は、「取得管理」「安全確保」「他者・社会とのコラボ」「作成編集」「活用」の5分野のリテラシーを身に付けるため、デジタル空間の特徴や起こりがちなトラブル、トラブルから自分や周囲の人を守るために必要な対応を段階的に学べる内容となっている。

 例えば、SNSで自分と似た意見を持つ人の意見ばかり表示される「エコーチェンバー」や「フィルターバブル」で、自覚しないまま差別や偏見につながる可能性があるとして、さまざまな情報をバランス良く取り入れることが必要であることなどを記載している。また、闇バイトに関連して、「簡単に稼げる」などよく使われる文言例を示して「SNSで募集している怪しいバイトは、だれが募集をしているか分からない」と注意を促している。近く講師用ガイドラインも公表する予定。

 「インターネットとの向き合い方」では、災害時や選挙で根拠のない情報が流される事例があると紹介するともに、なぜだまされるかについて、無意識のうちに合理的でない偏った判断をする「認知バイアス」について解説し、だまされないための対応などを記載している。この教材は講師用ガイドラインもすでに公開しており、学校の情報教育などに活用することができる。

 総務省情報流通振興課の担当者は「ニセ情報や誤情報は対処が難しく、生成AIによってさらに複雑化する中、一人一人がリテラシーを高めて安心できる社会をつくろうと運動を進めている。教材を見て話し合い、安心できる情報社会にどんな行動がとれるかを考えるきっかけにしてほしい」と話している。

 教材は同省ホームページからダウンロードできる。

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