小中高生の自殺者は過去最多の529人 動機は「学校問題」が最多

小中高生の自殺者は過去最多の529人 動機は「学校問題」が最多
閣議後会見で、こどもの自殺の増加について話す三原担当相=撮影:松井聡美
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 2024年に自殺した小中高校生は前年から16人増え、529人と過去最多となったことが3月28日、厚労省の発表で分かった。小中高生の自殺の原因や動機については、学業不振や友達関係など「学校問題」が最も多かった。三原じゅん子こども政策担当相は同日の閣議後会見で、「こどもが自ら命を絶つことのない社会実現に向けて、政府一丸となって取り組んでいきたい」と述べた。

 厚労省の発表によると、小中高生の自殺者529人のうち、小学生は15人、中学生は163人、高校生は351人だった。男性の自殺者数は減少傾向にあるものの、女性の自殺者数は増加している。また、自殺の原因や動機については複数回答で、学業不振や進路に関する悩み、学友との不和(いじめ以外)などの「学校問題」が272件で最も多く、次いで「健康問題」が164件、「家庭問題」が108件と続いた。

 こども家庭庁では、1月末の暫定値の公表後、こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議において「こどもの自殺対策緊急強化プラン」の総点検などを実施。その他にも、今月初めには関東学院中学校高校で、深い悩みを持った友人への寄り添い方を学ぶワークショップを開催するなどしており、三原担当相は「これらを次年度以降の自殺対策に生かしていきたい」と話した。

 また、自殺未遂者への支援が最重要とし、医療、福祉、教育などの各機関が連携し、自殺未遂者と家族を地域で包括的に支援する体制の構築に向けて、次年度は新たに調査研究を行うとしている。

 三原担当相は「こどもたちが何か困り事や悩みがあるならば、ちゅうちょなく信頼できる大人に相談できるような、そういう社会を私たちがつくっていかなければならない」と強調した。

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