「世界大学ランキング」を手掛ける英国の教育データ機関であるタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は4月3日、ベネッセグループと協力して実施している「THE 日本大学ランキング 2025」の結果を発表し、東北大学が5回連続で総合ランキング1位になった。ランキング指標の一つである国際性で1位になった国際教養大学が、再びトップ10に入った。
「THE 日本大学ランキング」は2年ぶりに行われ、8回目となる今回は257大学が対象となった。
毎年秋にTHEが発表している世界大学ランキングでは研究力を中心にスコアを出しているが、日本大学ランキングは日本の教育事情に合わせて大学の魅力や特性を評価できるように教育力に着目し、▽教育リソース(34%)▽教育充実度(30%)▽教育成果(16%)▽国際性(20%)――の4つの指標から順位を出している。
総合ランキングは▽1位 東北大▽2位 東京工業大▽3位 東京大▽4位 京都大▽5位 九州大――で(=表)、東北大学が5回連続でトップをキープした。2位の東京工業大学は24年10月に東京医科歯科大学と統合して東京科学大学となったが、今回のランキングではそれぞれ別の大学としてエントリーしている。
指標別で見ると、学生1人当たりの資金や教員比率、大学合格者の学力などの項目で構成される教育リソースは▽1位 東京医科歯科大▽2位 浜松医科大▽3位 東京大▽4位 京都府立医科大▽5位 奈良県立医科大――と、医大が上位を多く占めている。
学生調査や高校の教員の評判調査に基づく教育充実度の順位は▽1位 国際基督教大▽2位 国際教養大▽3位 立命館アジア太平洋大▽4位 東京工業大▽5位 一橋大――だった。
企業人事や研究者の評判調査によって測られる教育成果は▽1位 京都大▽2位 九州大▽3位 北海道大▽4位 東北大▽5位 名古屋大――と、国立大が上位に多く名を連ねている。
外国人学生比率や日本人学生の留学比率、外国人教員の比率などで構成される国際性は▽1位 国際教養大▽2位 立命館アジア太平洋大▽3位 国際基督教大▽4位 大阪女学院大▽5位 関西外国語大――の順だった。1位の国際教養大学は総合ランキングでも10位になり、20年のとき以来のトップ10に返り咲いた。
国際性に関しては、コロナ禍の影響もあり、日本人学生の留学に関しては、22年に行われた前々回、23年に行われた前回はランキング集計に用いていなかった。今回はそうした日本人学生の留学比率の回復状況を把握することができ、国立大、公立大、私立大とも日本人学生の留学比率は回復傾向にあったが、コロナ禍以前の水準にまではまだ戻っていなかった。