2024年に大麻が絡む事件で摘発された人数は6078人に上り、このうち10代以下は1128人で約2割を占めることが4月3日、警察庁の統計で分かった。摘発された10代以下の内訳は大学生等が229人、専修学校生等が94人、高校生が206人で、いずれも前年から微減。一方、中学生のみ前年から5人増の26人で過去最多となった。大麻を初めて使用した年齢は「10代以下」が過半数に上り、17年の調査時より13%増加するなど若年化の傾向が見られた。
違法薬物事件全体での摘発は1万3462人(前年比132人増)。うち大麻は6078人(同404人減)で過去最多となった前年を下回ったものの、依然高い水準で推移している。年代別では20代が3350人(同195人減)、10代以下が1128人(同94人減)で全体の73.7%に達し、若年層の摘発が目立つ。
同庁が24年10~11月に実施した調査によれば、大麻取締法違反(単純所持)で摘発された889人に「初めて大麻を使用した年齢」を尋ねたところ、半数近い49.4%が「10代以下」と回答。「20代」も31.9%となり、いずれも17年の調査時から増加傾向にあった。
使用のきっかけは、10代以下・20代では「好奇心・興味本位」が約4割で最多。入手方法は10代以下・20代のいずれも「インターネット経由」が約4割で、半数超がX(旧ツイッター)や一定期間でメッセージが消えるアプリ「テレグラム」を利用していた。加えて年代が下がるほど「友人・知人の紹介」の割合が増えた。
大麻に感じる魅力については、全年代で「精神的効果」を挙げる声が多く、加えて10代以下・20代の回答では「依存性が低い」とする割合が他の年代に比べ高かった。同庁はSNS上に氾濫する誤った情報の影響を指摘、「SNSの普及が大麻乱用拡大の一因となっている状況がうかがえる」と分析している。
また、若年層を巡っては危険ドラッグの乱用による摘発も増加。摘発された615人(同220人増)のうち10代以下は86人、20代は324人となり、全体の6割を超えた。その他の薬物事件では、覚醒剤の摘発が6124人(同210人増)で9年ぶりに増加に転じたが、10代以下は113人、20代は636人でほぼ横ばいだった。