学習机の天板を再利用 4月開校の小学校とコクヨが連携

学習机の天板を再利用 4月開校の小学校とコクヨが連携
学習机の天板を再利用した掲示ボード=提供:コクヨ
【協賛企画】
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 文房具・オフィス家具メーカーのコクヨは、4月に和歌山県田辺市に開校したうつほの杜学園小学校と連携し、学習机に使われていた天板を教室の掲示ボードなどにリサイクルすることに成功したとこのほど発表した。同社によると、学習机に使われている天板は表面がメラミン(樹脂)で覆われているため、リサイクルが難しかった。

 学校で使われている学習机をはじめ、オフィス家具の机に使われている天板は表面がメラミンで覆われていることが一般的だ。オフィス家具に使用されている素材の中で金属はリサイクルされやすいが、金属に次いで多く使われている木材は、メラミンを剥がさないとリサイクルが難しく、焼却や埋め立て処分になる割合が高かった。

 閉校した田辺市立二川小学校の校舎を活用して、4月に開校したうつほの杜学園小学校では、「サステナブルでウェルビーイングな学校づくり」を掲げている。その一環で、旧二川小で使用されていた学習机を回収し、天板を地元の紀州杉を使ったものに張り替える一方、元の天板をリサイクルする「学習机再生プロジェクト」を昨年9月から同社と連携して実施した。

 同社ではメラミン付き木材を、メラミンを剥がさず付けたまま再生できる研究に取り組んでおり、回収された天板は粉砕し、同小で使用する掲示ボードや備え付け家具の表面材などに再加工された。回収から再加工までは約5カ月を要した。

 同社のメラミン付き木材のリサイクル研究が実用された初のケースで、リサイクル率はほぼ100%であるものの、メラミン付きの木材を元の机の天板と同等の天板に再生するには、強度や品質の安定性などの課題がまだ残っているという。

 

【キーワード】

環境教育 持続可能な社会の構築を目指し、学校や家庭、職場、地域などさまざまな場で、環境と社会、経済、文化との関わりや環境の保全について理解を深めるために行われる学習。学校では多くの教科、総合的な学習の時間、特別活動などで実践が展開されている。2012年に環境教育等促進法が施行されている。

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