部活動中に落雷6人搬送 スポーツ庁が注意喚起

部活動中に落雷6人搬送 スポーツ庁が注意喚起
iStock.com/Meindert van der Haven
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 4月10日夕方、奈良市の学校グラウンドに落雷があり、サッカーの練習などをしていた中学生ら6人が救急搬送され、1人が意識不明となっている。スポーツ活動中の落雷事故を巡っては昨年4月にも、宮崎県でサッカーの練習中の高校生18人が搬送される事故があり、文部科学省とスポーツ庁が再発防止に向けて全国に通知を出して注意を呼び掛けていた。同庁は今回の事故を踏まえて、新たに通知を出す方向で検討している。

 警察などによると、10日午後5時50分ごろ、同市の「帝塚山学園第2グラウンド」に落雷があり、サッカーの練習をしていた中学生ら6人が救急搬送された。6人のうち5人はサッカー部所属の中学生で、14歳の中学生1人が意識不明となっている。もう1人は高校生の野球部マネージャーという。

 帝塚山中学・高校によると、当時はサッカー部と野球部、硬式テニス部の生徒合わせて114人と顧問教員ら8人が現場におり、教員らが119番通報するとともに現場でAEDを使うなどして対応した。搬送された6人のうち3人は保護者の付き添いで当日中に帰宅したが、3人が入院中という。

 同校によると、現場では落雷の10分前の午後5時40分ごろから小雨が降り始め、いったん止んだ後に強い雨が降り、直後に落雷があったという。当時、奈良市内には雷注意報が発令されていた。

 スポーツ中の落雷事故を巡っては、昨年4月にも宮崎市の私立高校グラウンドに落雷があり、サッカーの練習試合などをしていた熊本県の高校生18人が病院に搬送される事故があった。文科省とスポーツ庁はこの直後、全国の学校関係者に通知を出し、屋外での体育活動などの際は落雷の危険性を認識し、天候が急変した場合はためらわずに計画の変更・中止など適切な措置を取るよう注意喚起している。

 また、同省などは2018年に作成した「学校の危機管理マニュアル作成の手引」を参照することも求めている。この中で落雷に関しては▽真っ黒い雲の接近▽雷の音が聞こえてきた▽急に冷たい風が吹いてきた――といった積乱雲が近づいてきた兆候に注意し、部活動などの屋外活動を中断して速やかに屋内に避難することや、下校前の場合は、必要に応じて学校に児童生徒を待機させることなど留意点を示している。

 スポーツ庁では、今回の落雷事故について詳しい状況を聞いた上で、改めて全国に注意を促す通知を出す方向で検討している。

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