性的同意を学校で教えて 高校生の8割、若者団体が調査

性的同意を学校で教えて 高校生の8割、若者団体が調査
iStock.com/b-bee
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 性暴力を防ぐ観点などから近年重要視されている「性的同意」について、「知らない」「聞いたことがあるがうまく説明はできない」と答えている高校生が約7割に上ることが4月14日、国際NGOのプラン・インターナショナルとともにジェンダーの課題などについて活動する、若者世代を中心とした任意団体「プラン・ユースグループ」の調査で明らかとなった。約8割の高校生が性的同意について学校で教えてほしいと考えていた。

 2023年に施行された改正刑法では、お互いの意思を確認することなく性的行為が行われた場合には、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪に問われるようになった。

 「生命(いのち)の安全教育」の観点からも性的同意の重要性が高まっていることから、性的同意について教育現場で十分な知識伝達が行われているかを調べるため、プラン・ユースグループでは昨年12月2~10日に、日本在住の15~18歳の高校生1000人(男性229人、女性771人)にアンケートを実施した。

性的同意についてどの程度理解しているか
性的同意についてどの程度理解しているか

 その結果、性的同意について、63.9%が「学校で学んだ」と答えていたものの、性的同意について「知っていて、説明もできる」は32.4%にとどまり、「聞いたことがあるが、説明はできない」は57.8%、「知らない」は9.8%と、理解が不十分な高校生が多いことが浮き彫りとなった。

 性的同意について、学校で「教えてほしい」または「どちらかといえば教えてほしい」と答えたのは78.3%に上った。その理由を複数回答で尋ねると「正しい知識を身につけたいから」(83.7%)や「自分や他者を大切にしたいから」(45.2%)、「周りの人とも性的同意について話し合えるきっかけになるから」(22.7%)、「学校で学ぶことで安心して話しやすくなるから」(20.1%)などが挙がった。

 また、性的同意を学ぶ上で学校に求めることを複数回答で聞いたところ、「学校の先生が『性的同意』について正しい知識を持っていること」(63.9%)が最も多く、次いで「学校に、性に関する相談が気軽にできるカウンセラーがいること」(29.3%)や「『性的同意』に関する授業内容を充実させること」(27.3%)、「学校の先生が、親身に相談に乗ってくれること」(26.7%)などがあった。

 調査結果を踏まえ、プラン・ユースグループでは、学校に向けて、ロールプレーやディスカッションなどによって、実生活に即した性的同意に関する教育を実施することや、生徒が安心してオープンに話せる環境を整えることなどを提言。教育委員会などに対しても、学校への人的支援の強化や教員への研修の義務付けなどを求めている。

 

【キーワード】

生命(いのち)の安全教育 性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないように、全国の学校で推進されている。生命の尊さを学び、性暴力の根底にある誤った認識や行動、性暴力が及ぼす影響などを知った上で、発達段階に応じて、自分と相手、一人一人を尊重する態度を身に付けることを目指す。

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