暴力などの相談件数が過去最多に 被害者の8割は子ども

暴力などの相談件数が過去最多に 被害者の8割は子ども
iStock.com/takasuu
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 日本スポーツ協会(JSPO)は4月16日、2024年度に「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」に寄せられた、スポーツの現場における暴力・暴言・ハラスメントなどの不適切行為の相談件数が昨年に比べ51件増え、過去最多の536件に上ったと公表した。そのうち、小学生から高校生が被害に遭った相談が8割近くを占めた。

 相談件数はコロナ禍の影響でスポーツ活動が制限された時期を除き、増加傾向にある。24年度は大人向け窓口で475件、子ども向け窓口で61件の相談があった。JSPOでは、相談件数が増加しているのは、スポーツにおけるハラスメントへの問題意識が高まったことや、相談窓口の認知度が高まってきたこと、相談しやすい環境が構築されてきていることが影響しているとみている。

 相談内容の内訳を見ると▽パワー・ハラスメント(暴力・暴言を除く) 18%▽暴言 41%▽暴力 13%▽セクシュアル・ハラスメント 2%▽その他 22%▽不明 4%――で、中には「バカ、アホ」といった発言をしながらボールを投げ付けるといったものや、指導者が選手を無視するといったものもあった。

相談窓口に寄せられた被害者の内訳
相談窓口に寄せられた被害者の内訳

 被害者の内訳は▽小学生 48%▽中学生 18%▽高校生 12%▽大学生 1%▽その他 21%――で、窓口への相談者は、保護者が63%を占めた。

 子ども向けの相談窓口に寄せられた相談を分析すると、「顧問」「部活」など学校の部活動に関するキーワードが多くウェブで検索されており、相談者の半数以上は、保護者に相談した上で相談窓口に連絡をしていた。

 

【キーワード】

体罰 子どもへの懲戒を目的に、身体的苦痛を与える行為。児童福祉法や学校教育法で、保護者や教員などの大人が子どもに体罰を加えることは禁止されている。近年は、暴力行為だけでなく、暴言や行き過ぎた指導、ハラスメントなど精神的苦痛を与える行為も不適切とされ、大人の意識改革が求められている。

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