「新たな教育のスタイル」の基幹校に 開校予定の都立新国際高校

「新たな教育のスタイル」の基幹校に 開校予定の都立新国際高校
「新たな教育のスタイル」について報告があった都教委定例会=撮影:松井聡美
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 東京都教育委員会は4月24日、第7回定例会を開き、デジタルとリアルの最適な組み合わせにより「個別最適な学び」「協働的な学び」を実現する「新たな教育のスタイル」を、都立高校から展開していくことを報告した。また、開校に向けて検討が進められている「都立新国際高校(仮称)」を、「新たな教育のスタイル」を実施する基幹的な学校となるよう検討を進めていくことも公表された。

 都は「新たな教育のスタイル」の目指す姿として、▽学校内外でオンラインも含めて、いつでもどこでも学べる▽専門家や企業人などと教員が連携しながら社会課題の探究など、これから社会で生きていくために必要なことを学ぶ授業▽研究論文やコンテストなど、生徒が作成した成果物を評価する▽生徒がそれぞれの知識や興味のグラデーションに応じて主体的に学んでいく――などとしており、予測困難な社会の中で、新たな価値や解決策を創造する人材を輩出していく。

 今年度からは、都立高校6校でデジタル教科書を導入し、授業方法などのモデルを研究する。また、校内別室指導実施校6校において、オンデマンド教材などによる単位認定を検討していく。

 さらに、オンライン上のポータルサイトを通じて教員と生徒が双方向のコミュニケーションを図るとともに、セルフ学習マネジメント機能の活用を通じて自宅学習の状況を教員がサポートできる仕組みなど、学びの成果を可視化するLMS(Learning Management System)を試行導入。民間企業とデータサイエンス・生成AI、アントレプレナーシップなど、新分野のデジタル教材を共同開発し、ミネルバ大学との連携などについても取り組んでいく。

 また、都教委では、2019年策定の「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次) 」で「都立新国際高校(仮称)」の設置を決定し、開校に向けて準備を進めてきた。24年2月の「都立新国際高校(仮称)開校に向けた専門家会議」の議論の取りまとめでは、同校の教育活動の方針として、「多様な価値観を持つ人々と交流・議論しながら協働研究を行うこと」「トップリーダーや起業家などから主体性や創造力を学ぶ講座を設置すること」などが示されていた。

 都教委の担当者は「今回、都が目指す『新たな教育のスタイル』と、都立新国際高校(仮称)が目指すところが合致している」と説明。今後は同校を、全都立高校で「新たな教育のスタイル」を実施していくための基幹校として検討を進めていくとした。

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