不登校の児童生徒への支援などに取り組む株式会社キズキは、このほど、不登校の悩みが増えやすい大型連休明けを前に、子どもとの向き合い方について保護者向けにまとめたガイドブックの無料配布を始めた。ガイドブックを開発したのは不登校経験のある同社の相談員で、「自分が不登校のときにこういうものがあると、家族も自分も良かったかなと考えながら作成した。これまでの事例を分析して作成したので、お子さんに合ったアプローチを探してほしい」と話している。
無料配布されているのは、「連休明けの不登校パーフェクトガイド」。不登校経験があり、同社で不登校相談員を務める伊藤真依さんが開発した。大型連休は、4月からの新生活で疲れがたまった子どもたちの緊張の糸が緩みがちで、連休明けは不登校になるケースが多い時期とされる。また、連休前から不登校の状況にある子どもたちも連休明けの時期はストレスを感じやすいという。このため同社は「連休明けの不登校」に焦点を当てて、保護者向けに子どもとの向き合い方をまとめたガイドブックの作成に取り組んだ。
同ガイドでは、不登校の理由別にまとめた適切なアプローチ方法を始め、学校へ相談する際のコツや、子どもと向き合う際の心得などが掲載されているのが特徴。不登校の理由は「人間関係の不安」「体調不良」「勉強面の不安」「理由不明」の4つに分けられ、例えば「人間関係の不安」の場合、親が味方であることをしっかり伝えた上で、学校に相談する際は本人の了解を得てから行うことが大切だとしている。「体調不良」の場合は仮病などと決め付けず、長引くときは早めに病院や専門家に相談して少しずつ体力を取り戻すこと、「勉強面の不安」の場合は宿題が終わっていないときと授業についていけないときに分けて、宿題を小さなタスクに分けて進められるようサポートすることなどを勧めている。
さらに子どもと向き合う際は、保護者自身も自分の時間を大切にして、親子共に依存関係とならずに心地よい距離感を見つけることや、焦らず時間をかけて他の事例も集め、参考にできる部分がないか探すことも効果的だとしている。
ガイドブックを作成した伊藤さんは「不登校には回復期や混乱期などいろんなフェーズがあるので、最も合うと思う対応を探してほしい。不登校経験者として心が重くなるお子さんの感覚は痛いほどよく分かる。これまでサポートした事例を分析して作成した。ぜひお子さんに合ったアプローチを探してほしい」と話している。
また、教員に対しては「不登校の状況はさまざまで、同じ理由で悩んでいてもどう対応してほしいかは子どもによって違う。保護者は先生が何でも分かっていると思って相談してくる面もあるが、分からないことは分からないと伝えて保護者と一緒に考えてほしい」と呼び掛けている。
ガイドブックは、フォームから申し込むと無料でダウンロードできる。