米トランプ政権によるハーバード大学の留学生受け入れ資格の停止措置を受け、文部科学省は5月27日、日本国内にある国公私立の全大学に対し、ハーバード大留学生の受け入れ検討を依頼する事務連絡を出した。また、ハーバード大に限らず米大学に在籍する留学生から不安の声が上がっているとして、日本学生支援機構に相談窓口を設置、ホームページ上で情報提供も行う予定だ。
文科省によれば、米国は日本人学生の留学先として最も多い受け入れ先で、ハーバード大に在籍中の日本人留学生は110人。米国内の大学に在籍し、日本学生支援機構などの支援を受ける留学生は876人に上る。
この日の閣議後会見で阿部俊子文科相は、米国で学べなくなった場合を想定し、日本国内の全大学に受け入れなどの支援策について検討を依頼していると説明。
加えて、ハーバード大に限らず米大学に在学中の留学生、また渡航予定者からも不安の声が上がっていると話し、日本学生支援機構に相談窓口を設置する方針を表明。渡米中の学生の留学計画の変更、奨学金の継続といった対応を取ることを検討しているとして、「意欲と才能のある若者たちの学びの保障に向け、関係機関と連携しながら全力で取り組んでまいりたい」と述べた。
ハーバード大を巡ってはトランプ政権が5月22日、キャンパス内で反ユダヤ主義を助長したなどの理由で、留学生の受け入れ資格を停止すると発表。これに対しマサチューセッツ州の連邦地裁が23日、大学側の申し立てを受け、停止措置の一時的な差し止めを命じている。