国語の正答率は記述式中心に女子が高く 全国学力調査分析

国語の正答率は記述式中心に女子が高く 全国学力調査分析
iStock.com/Hakase_
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 全国学力・学習状況調査結果に関する専門的な調査研究で、2024年度の国語の正答率は小中学校ともに女子が男子を上回っていたことが、5月28日に開かれた文部科学省の「全国学力調査に関する専門家会議」で報告された。特に記述式問題では中学校で女子が男子を12ポイントも上回るなど顕著な差が見られた。児童生徒質問調査でも「国語の勉強が好き」と答える割合は女子の方が多く、研究グループは「こうした差が単年度の結果なのか、継続的な傾向かを判断するには、過去の調査の分析が必要だ」と指摘している。

 調査研究を行ったのは、安田女子大学文学部の大滝一登教授らの研究グループ。同グループは同省の委託で全国学力調査の国語の結果を活用して専門的な分析を行い、調査結果を専門家会議に報告した。

 同グループはこの中で24年度の調査結果から国語の正答率の性差を分析した。報告によると、小学校国語の正答率は男子64.3%、女子71.1%で、女子が約6ポイント上回った。特に記述式では男子59.9%、女子69.4%と正答率に9.5ポイントの差が見られた。同時に実施された算数では男子、女子ともに63%台でほぼ差がなく、対照的な結果となった。

小学校国語の正答数の男女差を示したグラフ(研究グループの文科省への報告資料より)
小学校国語の正答数の男女差を示したグラフ(研究グループの文科省への報告資料より)

 また、中学校国語の正答率についても男子55.1%、女子61.9%で女子が約7ポイント上回り、特に記述式問題では男子39.9%、女子52.5%で女子が12.6ポイント上回るなど、小学校以上に大きな差が見られた。

 さらに研究グループが児童生徒質問調査の男女差についても分析したところ、「国語の勉強は好きですか」などの国語関連項目では、小中学校とも女子の平均値が男子を上回っていた。研究グループはこうした結果について、「このような差が調査問題の影響による単年度の結果なのか、継続的な傾向なのかを判断するには過去の調査の分析も必要だ」と指摘している。

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