学校配置など「高校改革」明記 無償化3党協議、今週中合意へ

学校配置など「高校改革」明記 無償化3党協議、今週中合意へ
高校無償化を巡り意見が交わされた3党実務者協議=撮影:山田博史
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 高校無償化を巡る自民、公明、日本維新の会の実務者協議が6月2日、国会内で開かれ、先週5月30日に自公両党が示した中間整理案に対して維新から文言の修正案が示された。中間整理案には、維新が求めていた都道府県単位で学校配置などのグランドデザインを示す「高校改革」を進めることが盛り込まれ、3党の出席者とも「大枠ではほぼ一致している」との認識を示した。今週中に改めて会合を開いて実務者レベルで合意した上で、今月中旬にまとめられる「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)への反映を目指すことにしている。

 高校無償化を巡っては、これまでの3党協議で、2026年度から私立高校の授業料も所得制限を撤廃して45万7000円を上限に就学支援金を支給する方針が決められており、6月中旬に示される骨太の方針に盛り込むために制度設計に向けた協議が続いている。先月30日には自民、公明が中間整理案を示し、維新が対応を検討していた。

 出席者によると、中間整理案には、どの地域に住んでいても質の高い教育の機会を確保するために都道府県ごとに学校配置計画をつくるよう求める維新の要望を踏まえて、地域ごとにグランドデザインを示す高校改革を進める方向性が盛り込まれた。また維新は就学支援金の支給方法について、各学校が受け取る「代理受領」でなく、各世帯への直接支給を訴えているが、これについては来年度からの改変が難しいことへの理解を示し、具体的にどんな形で中間整理案に反映できるか、最終的に文言を調整することになった。

 外国籍の生徒を対象にするかどうかについては、高所得世帯などをどこまで含めるのか整理が必要とされているが、これについて自民党の柴山昌彦元文科相は「現在、日本の定められたルールに従って学んでいる外国人の方には不都合がない形を取りたい。ただ、国籍による差別というのではなく、日本の方々にもしっかりと理解していただけるような制度として示せるようにしたい」と述べた。

 こうした議論も踏まえて柴山元文科相は「(維新側からの)修文案に対する再修文を早急に示すが、大枠としては3党ですぐまとまる印象を持っている。党内のプロセスもあるが骨太の方針に向けて作業をスピードアップしたい」と述べ、今週中の合意を目指す方針を示した。

 維新の金子道仁参院議員は「方向性は一致し、論点もだいぶ詰まってきた。人口減少や少子化が進む中、全国どこで生まれ育った子どもも高校までは多様で質の高い教育機会を確保するため、学校配置計画をつくることを主張してきたが、それを広げる形で『高校改革』全般を進めるという形でまとめられると考えている」と述べた。

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