学用品は学校の備品に 超党派議連が教育格差の是正求め提言

学用品は学校の備品に 超党派議連が教育格差の是正求め提言
金城大臣政務官(前列左から4人目)に提言書を手渡す細野座長(同・5人目)らWTのメンバー=撮影:徳住亜希
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 超党派による子どもの貧困対策推進議員連盟の「教育格差について考えるワーキングチーム(WT)」のメンバーはこのほど、文部科学省を訪れ、教育格差の是正に向けた提言書を金城泰邦大臣政務官に手渡した。提言では、給食費や制服代といった学校生活にかかる私費負担の軽減策として、児童生徒の購入を前提としない仕組みの体制整備を要望。不登校に伴うフリースクールの費用負担の支援、体験格差やデジタル格差への対策も盛り込んだ。

 提言では、「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」(2024年6月改正)で、貧困状態にある子どもへの学校教育の充実や、その体制整備が明記されたことを踏まえ、給食費や制服代など家計負担の重い教育費に対する財政措置を要望。学用品は学校の備品にするなど、児童生徒の購入を前提としない体制の整備を進めるよう促した。

 加えて不登校対策として、通信制高校・フリースクールなどの費用負担に必要な施策を講じ、通信制高校・サポート校が引き続き通学定期券の対象となるよう、国と交通事業者による連携措置を求めた。

 さらに、体験格差やデジタル格差についても言及。体験格差の縮小に向けた取り組みとして、学校施設などを活用した放課後児童クラブの拡充を主張した。学習端末は学校からの貸与か、各家庭で購入した端末を持ち込むBYOD(Bring Your Own Device)方式かの違いでデジタル格差が生じていると指摘、経済的負担による格差軽減のほか、通信費などの私費負担に対する財政措置の検討も求めた。

 大学入学金を巡っては、私大合格者が実際には入学しない大学にも入学金を支払わざるを得ない実態があり、とりわけ困窮家庭では受験料も大きな負担になっているとして、文科省に対し現状把握と議論の推進を訴えた。

 手交には同議連のメンバーのほか、子どもの貧困支援に取り組む3団体が参加。WTで座長を務める細野豪志衆院議員は「文科省とは大臣を含め問題意識が共有できていると思う」と話し、教育格差の是正に向け「トップダウンだけでなく、現場からボトムアップで動いていただくことが重要。両方のアプローチで進めていきたい」と力を込めた。

 また私費負担の軽減に関して細野WT座長は、部活動の地域移行に伴う受益者負担も含まれるとし、「指導者には一定の謝礼を支払うべきだが、それに伴い個人の負担が出てくると部活動ができない子どもも出てくる。公的にしっかりサポートすべきだ」と強調した。

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