東京都教育委員会は6月12日、第9回定例会を開き、児童生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口に寄せられた、相談件数や内容について報告した。2024年度の相談件数は23年度から微増し、最も多かったのは、教職員の指導に関する相談だった。
都では「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が22年4月1日から施行されたことを受け、22年度から相談窓口を開設。都内の公立学校の教職員による児童生徒へのわいせつ行為、セクシュアル・ハラスメント、その他の不適切行為などについての相談・通報を電話・メールで受け付けるほか、相談シートを都内全公立学校の全児童生徒に配布している。
24年度の相談件数の合計は1033件で、23年度の1011件から微増した。校種別の内訳では、小学校が673件、中学校が252件、義務教育学校が4件、高校が69件、特別支援学校が8件、その他が27件だった。
相談内容ごとの内訳は、①「都内公立学校の教職員に関する相談」 650件②「児童・生徒同士のトラブルなどが疑われる相談」 263件③「家庭のトラブルが疑われる相談」 37件―― などだった。
また、①「都内公立学校の教職員に関する相談」のうち、「教職員による性暴力などが疑われる相談」は43件あり、そのうち「事実が認められたもの」は2件、「事実が認められなかったもの」は21件、「事実確認が困難であったもの」は10件、「調査を継続しているもの」は10件だった。
続いて、①のうち、「教職員の指導に関する相談」は607件で、そのうち「事実が認められたもの」は135件、「事実が認められなかったもの」は267件、「事実確認が困難であったもの」は205件だった。
教職員の指導に関する相談について、都教委の担当者は「日常的な教員の子どもへの接し方などについて、子ども側が感じたところについて、さまざまな相談があった。指導方法などについては、区市町村教委を通じて、助言をする形で対応している。また、事実が認められなかったり、確認が困難だったりする事案についても、教員に対する注意喚起や、その子どもの様子を見守ってもらうような対応をしている」と説明した。
今後については、「引き続き、相談窓口の周知徹底を図っていきたい。また、大人に相談しやすい雰囲気をつくるなど、子どもたちが安心して学校生活を過ごせるようにするための取り組みを進めていく」と強調した。