こども家庭庁は6月23日、第7回となる「インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関するワーキンググループ」を開催し、課題と論点の整理案について議論した。今後の基本的方向性として、生成AIを悪用した児童の性的ディープフェイクなどについて、厳正な取り締まりなど青少年を守るための強化策を講じる。7月下旬に最終的な課題と論点の整理を、秋ごろに政府全体の工程表を取りまとめ、取り組みに着手していく。
昨今のインターネット利用を巡る青少年保護の国内外の動向を踏まえ、課題や論点の整理をするため、こども家庭庁は2024年11月に同ワーキンググループを立ち上げ、議論を重ねてきた。
この日の会議では、これまでの議論を踏まえた整理案が示された。基本的方向性として、法律によって特定の年齢や発達段階にある子どもたちの利用コンテンツや利用時間を一律に制限することよりも、幅広いステークホルダーが青少年の保護について具体的な方策を講じ、青少年自身が情報を適切に取捨選択するなどのリテラシーを底上げしていく。その際、現行の「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年インターネット環境整備法)で不十分な点を検証の上、法的対応を含めて検討していくとしている。
また、現行の青少年インターネット環境整備法はフィルタリング規制が中心だが、受信リスクへの対応の強化とともに、送信に関するリスクへの対応も検討していく。
さらに闇バイトや、性的なメッセージや写真を送るなどのセクスティングを含む性被害、生成AIを悪用した児童の性的ディープフェイクなどの新しい課題については、関係省庁が連携して厳正に取り締まり、被害者の保護およびサイト管理者などへの違法な情報の削除依頼の強化などを講じていくとしている。
同ワーキンググループでは、7月下旬に課題と論点の整理を取りまとめ、今すぐ対応できる短期的なものと、対応に一定の検討期間が必要である中長期的なものを整理し、関係省庁連絡会議を開催した上で、秋ごろに政府全体の工程表をまとめ、できるものから速やかに着手していく。
これらは27年に改定を予定している第7次「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画」に反映される。