文科相「全国の教育長に性暴力根絶求める」 教員の児童盗撮事件で

文科相「全国の教育長に性暴力根絶求める」 教員の児童盗撮事件で
教員の児童盗撮事件への対応について述べる阿部文科相=撮影:山田博史
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 女子児童を盗撮した画像などをSNSのグループチャットに送信していたとして、名古屋市と横浜市の小学校教員が逮捕された事件について、阿部俊子文科相は6月27日の閣議後会見で、「本当に怒りを覚え、断じて許せない」と述べた上で、近く都道府県教育委員会などの教育長を集めてオンライン会議を開き、直接、児童生徒への性暴力根絶に向けた取り組みの徹底を求める考えを示した。

 この事件では、昨年9月から今年1月ごろにかけて、名古屋市立小学校教員の男と横浜市立小学校教員の男が、女子児童の下着を撮影した画像や動画をSNSのグループチャットに送信、共有したとして、性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕されている。グループチャットにはさらに複数の教員が加わっているとの情報があり、現在、愛知県警が捜査を進めている。

 この事件について阿部文科相は会見で、「教師への信頼が損なわれる状況が生じていることは極めて遺憾で、被害を受けた子どもたちや日々頑張っている多くの教師の皆さんのことを思うと、本当に怒りを覚える。断じて許せない」と述べ、現在、名古屋市教委と横浜市教委から事実確認の上、厳正に対処するとの報告を受けていることを明らかにした。

 その上で阿部文科相は、文部科学省の対応として、児童生徒への性暴力の防止など、教師の服務規律の確保の徹底を求める文書を、近く全国の教委に発出する考えを示した。さらに「文書だけでなく都道府県などの教育長を集めたオンライン会議を開いて、直接説明をさせていただく。あらゆる機会を捉えて、教師による児童生徒への性暴力の根絶に向けて厳正に対応するよう、さらなる徹底を図っていく」と強調し、事務方に調整を指示していることを明らかにした。

 また、学校設置者などに児童への性暴力等を防止する措置を義務付ける「こども性暴力防止法」の施行を見据えて、「法律の適切な運用に向けて、こども家庭庁とも密接に連携しながら引き続き必要な取り組みを徹底したい」と述べた。

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