【全国学力調査】中学校理科のIRT活用で動画作成 文科省

【全国学力調査】中学校理科のIRT活用で動画作成 文科省
中学校理科の試験の端末画面(開始画面)=4月14日、東京都内の中学校(代表撮影)
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 今年4月に実施された全国学力・学習状況調査で、初めてオンラインのCBT方式(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)やIRT(項目反応理論)が導入された中学校理科について、7月14日に学校や生徒に結果が返却されるのを前に、文部科学省は同7日、IRTの活用について説明する動画やリーフレットを同省ホームページに掲載した。同省学力調査室は「新しい分析図なども示しており、生徒指導に活用してほしい」と呼び掛けている。

 今年度の全国学力調査では、中学校理科で初めて紙の用紙からCBT方式に切り替えられ、動画などを使った問題が出題された。また、生徒ごとに異なる問題セット(公開問題10問、非公開問題16問)が割り当てられ、結果の分析については、正答率などをベースにしていたものから、幅広い領域・内容で調査して、より精緻に学力・学習状況を把握できるIRTが活用された。

 同省は、こうした切り替えにより学校や生徒への結果返却の表示内容も変わることから、同14日の結果返却を前に、改めてIRTの活用に関するポイントをまとめた動画やリーフレットを作成してホームページにアップした。

 このうち動画では、IRTの活用により、調査日の複数設定や学力の経年変化を把握できるといったメリットを改めて示した上で、結果返却について、学校や自治体ごとの結果は500を基準にしたIRTスコアで表示し、個人の結果は3を基準とした5段階のIRTバンドで表示することになったと説明している(下図)。ただし、IRTバンドは問題の正誤状況から推定される結果であり、学習評価で用いる評定とは異なると注意を促している。

中学校理科の学校と個人への結果返却の表示について(文科省資料より)
中学校理科の学校と個人への結果返却の表示について(文科省資料より)

 また、学校に返却される帳票については、IRTスコアやバンドで学校での学力の分布状況が示されるほか、全員に出題されなかった公開問題についても、IRT分析により学校全体で期待される正答率の予測が示されることについて説明している。

 さらに今回出題された問題のうち、全ての公開問題は文科省のCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」でいつでも取り組むことができるとして、同省は予測正答率も参考にしながら学習の振り返りや調査後の学習成果の確認に活用してほしいと呼び掛けている。

 同省学力調査室は「学校と個人への返却結果の基本的な見方を確認するとともに、生徒のIRTバンド別に解答類型の割合を示したグラフなども新たに掲載する予定であり、今後の分析や指導に活用してほしい」としている。

 同省が掲載した動画やリーフレットなどは、こちら

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