落雷事故防止 夏のスポーツ少年団の大会で対策強化、JSPO

落雷事故防止 夏のスポーツ少年団の大会で対策強化、JSPO
今夏のスポーツ少年団の事業について説明する日本スポーツ少年団本部長の益子JSPO副会長(左)=撮影:藤井孝良
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 スポーツ少年団の大会を今年度からリニューアルした日本スポーツ協会(JSPO)は7月8日、夏に行われるスポーツ少年団の大会での落雷事故を防止するため、各会場の避難場所や避難経路を確保するなどの対策をした上で実施すると発表した。各会場の担当者は可能であれば雷探知機を携帯し、探知機のアラームが鳴ったり、雷鳴や雷光を確認したりした場合は試合や活動を中止。試合を再開するのは、最後の雷鳴や雷光がやんでから30分が経過してからとする。

 今年4月に奈良市のグラウンドで落雷があり、部活動中の中高生が救急搬送されるなど、スポーツ活動中の落雷事故が相次いでいることを受けた対策。

 JSPOでは今年度から全国スポーツ少年大会を「JAPAN GAMES JUNIOR & YOUTH」に名称を変更。全国スポーツ少年団競技別交流大会も「エンジョイ!スポーツフェスティバル」に改め、勝利至上主義から脱却し、参加者同士の交流機会や出場機会を増やす。

 7月31日~8月3日に佐賀県で開催される「JAPAN GAMES JUNIOR & YOUTH 2025 SAGA」と8月8~11日に三重県で行われる「エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025」では、暑熱対策とともに落雷事故防止対策を強化する。主催者は落雷による避難を想定して、各会場で避難場所や避難経路を確保。急な気象の変化に対応するため、気象庁の雷注意報の発表や雷の可能性を予測する「雷ナウキャスト」で情報収集を行う。

 試合中・活動中の各会場担当者は用意可能な場合は雷探知機を携帯し、探知機のアラームが鳴ったり、会場で雷鳴や雷光を確認したりした場合は試合・活動を中断する。試合を中断した場合は、雷鳴が収まった段階で気象情報やグラウンドコンディションを確認し、試合再開の判断をする。再開は最後の雷鳴や雷光がやんでから30分が経過した後とする。

 記者会見で日本スポーツ少年団本部長を務める益子直美JSPO副会長は、今回の落雷防止対策について「私たちもここまでしっかりと対策を考えたのは初めてのことになる。もし他の団体でも取り組んでいる事案があれば参考にしていきたいし、私たちのやっていることについて興味を持ってもらえれば情報を共有していきたい。自分たちだけでやるのではなく、スポーツ界全体でやっていかなければならない課題だと思っている。こういうことをやった方がいいという情報があれば、今後も取り入れていきたい」と話した。

 

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スポーツ少年団 1964年の東京五輪をきっかけに、スポーツによる青少年の健全育成を目的に始まった国内最大の青少年スポーツ組織。子どもたちがスポーツを楽しむだけではなく、さまざまな活動を通じた心身の育成、地域づくりへの貢献などを理念に掲げる。現在は全国に約2万5000団が登録している。

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