教師に思いやりの心を持って 増子新次官が職員にあいさつ

教師に思いやりの心を持って 増子新次官が職員にあいさつ
文科省職員に向けてあいさつする増子新次官=撮影:藤井孝良
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 文部科学省の新旧事務次官の交代に伴い、増子宏新次官は7月15日、同省職員に向けてあいさつした。増子新次官は高校無償化や公教育の再生などの政策を挙げ、「私自身、先頭に立って取り組んでいきたい」と意気込みを語り、「教師、それから児童生徒、学生、さらには研究者、アスリート、クリエーター、さまざまな方が(文科省の)後ろに控えている。そういう人たちに対する思いやりの心を持った政策展開を考えていただけたら」と呼び掛けた。

 約2年にわたる任期を終えた藤原章夫前次官は、これまで文科省職員としてさまざまな法改正に携わってきたことに触れ、中でも先の通常国会で成立した改正給特法について「最初のシナリオから与党での提言、中教審の審議、昨年末のぎりぎりの状況での財政当局との折衝、そして法案審議と、一貫して自分が携わった大変思い出深く、本当にやりたかった法案だ。公務員人生の最後でこうした法案に巡り合え、皆さんと共にこれ(法改正)を成し遂げることができたのは、私にとって大変大きな幸せであり、記憶に残る仕事になった」と振り返った。

 その上で、文科省が所管する分野の重要性は増しており、失敗を恐れずに大胆な挑戦をしていくことが求められているとし、「チャンスは準備された心にのみ舞い降りる。あらゆる可能性を想定した十分な準備をして、新たな挑戦に臨んでほしい」と職員にエールを送った。

 次にあいさつに立った増子新次官は国際情勢が混迷を極め、政権与党が不安定な状態の中にあっても、文部科学行政を着実に進めていく必要があるとし、具体的に、高校無償化の話、公教育の再生、研究力の向上、文化芸術立国、スポーツ立国に向けた政策を挙げ「私自身、先頭に立って取り組んでいきたい」と力を込めた。

 職員に対しては、職場で働く仲間に対する思いやりの心を常に持ってほしいとした上で「文科省が抱えるステークホルダー、例えば教師、それから児童生徒、学生、さらには研究者、アスリート、クリエーター、さまざまな方が(文科省の)後ろに控えている。そういう人たちに対する思いやりの心を持った政策展開を考えていただけたら」と話した。

 

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文部科学省 教育の振興と生涯学習の推進を中核とした人材の育成、学術・科学技術の総合的な振興、スポーツや文化に関する施策の総合的な推進、宗教に関する行政事務などを担う日本の官庁。2001年の省庁再編に伴い、旧文部省と旧科学技術庁が統合して誕生した。シンボルマークは羅針盤をモチーフにしている。

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