(鉄筆)紙の手帳の教育効果……

本紙7月1日号に「紙の手帳」の教育効果に関する記事が掲載された。紙の手帳の教育効果を実証したのは言語脳科学者の酒井邦嘉教授だ。これを読み思い出したのが東京都千代田区立麹町中学校の実践だ。「手帳指導」と方眼紙ノートを使った「ノート指導」は一時話題となった。いずれも「NOデジタル」である。

国のGIGAスクール構想が社会から注目されて以降、デジタル教科書はじめデジタル教材の有効性が期待されているが、一方で子供の成育面も含め疑問視する声もさまざまな分野からある。

スマホが人間の脳に与える深刻な影響を説いた「スマホ脳」(新潮社)の著者であるアンデシュ・ハンセン氏は精神科医であり、「ほんとうにいいの?デジタル教科書」(岩波書店)の著者である新井紀子氏は数理論理学者である。いずれもその立場からの危険性を提唱している。

言語教育の立場から実証してくれる人が出ないかなと思っていたら、書店で「デジタルで変わる子どもたち」(筑摩書房)を見つけた。著者は言語学者のバトラー後藤裕子氏だ。著書では「SNSを長時間使う子は読解力が低いのか?」「紙とデジタルはどちらで読むほうが正確に読めるか?」「ICT教育のメリット・デメリットは何か?」など言語学の立場からデータを検証し示唆に富む指摘をしている。

視聴覚機器をはじめICT関係の教材・教具は昔から提唱され、学校はその有益な部分だけを選択してきた。今回もさまざまな識者からの客観的な主張を精査したのち、適切な教材が子供たちに提供されることを願ってやまない。

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