【探究的な問題解決能力(7)】社会で統計教育

国立教育政策研究所統括研究官 坂谷内 勝
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社会は、社会的な見方・考え方を働かせ、課題を追究したり解決したりする活動を通して学習します。国や地方の統計資料を一番多く使う教科と言えます。

日本の統計データは、インターネットで総務省統計局の政府統計の総合窓口(e-Stat)から調べることができます。また、小学生や中学生向けの政府統計のデータは「キッズすたっと」で調べられます。

以下、滋賀大学教育学部付属中学校の七里広志教諭による社会科(地理的分野)の「関東地方」の授業について、統計的な探究プロセス(とらえる―あつめる―まとめる―よみとる―いかす)の流れに沿って紹介します。

この授業は「人口減少を抑えるために、どんな取り組みが必要だろう」という問いに対して、関東地方に関するさまざまな資料を基に、人口増減に関係の深い要因を調べ、説明することを目標としています。

生徒が作成した地図グラフ(「社会科(地理的分野)学習指導案」全国統計教育研究協議会編)

○とらえる:関東地方の様子について、地形や気候特性を理解し、農業や工業が独自に発達したことを理解します。次に、総務省統計局の人口増減率の統計資料から、人口増減の状況を把握します。

○あつめる・まとめる:関東地方の人口増減の理由に関わる統計情報を基にして、各自、主題図を作成します。主題図とは、統計情報を加工して作成した地図グラフ(図)です。

○よみとる:作成した主題図を4人グループで交流して、人口増減の理由を分析します。そして、人口増減の要因と思われる意見を数直線(人口減少を左側、人口増加を右側に配置した直線)上にまとめます。

○いかす:人口減少を食い止めるために必要な政策について交流し、自分の意見をまとめて論述します。

(ある生徒の論述)…関東地方を例に分析すると、企業数が多い地域に人口が多く、それに伴い就業者数も多く、平均年収額も多いことが分かる。そのため、人口減少を抑えるには、企業がきやすいようにビルを建てたり、空港、新幹線をつくるという取り組みが必要ではないかと考えられる。企業がくると就業者数が増え、平均年収額が増加すると思う。

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