海外とのスポーツ指導の違いなど アスリートら語り合う

現役アスリートらによる、子供がスポーツに親しむ価値がテーマのパネルディスカッションが8月7日、日本ユニセフ協会の主催でオンライン開催された。同協会の「子どもの権利とスポーツの原則」に賛同するアスリートと競技団体関係者が、日本のスポーツ指導の在り方や、新型コロナウイルスのスポーツへの影響などについて語り合った。

現役アスリートらが参加したパネルディスカッション(YouTubeで取材)

ユニセフ(国連児童基金)と同協会は2018年11月に「子どもの権利とスポーツの原則」を発表し、指導者による暴力やハラスメントを排除し、子供の意見やバランスの取れた成長を尊重することを提唱。理念に賛同する団体や企業を募っている。

この日は、新たに賛同を表明した競技団体などを代表して、ラグビーのクボタスピアーズのキャプテンを務める立川理道選手、東京ヴェルディホッケーチームの及川栞選手、女子サッカー選手による社会活動を支援する「なでしこケア」を創設したジェフ千葉レディースの大滝麻未選手、全日本空手道連盟の日下修次事務局長が登壇した。

ラグビーの盛んなニュージーランドでプレーした経験がある立川選手は「ニュージーランドでは、子供は一つの競技に特化せず、いろいろなスポーツに接して運動能力を高めていく文化がある。小さな町にもスポーツが身近にある。さまざまなスポーツに関わることで、自分の個性に気付き、チームメートとのつながりも増えていく」と、日本のスポーツ文化との違いを指摘。

女子ホッケーの及川選手は、ホッケーの強豪国であるオランダでの経験から、コーチングの重要性を強調。「オランダでは、個々の選手の年齢やレベルに合ったコーチングをしていて、『ちゃんと自分のことを見てくれている』と子供が感じられる。試合で負けてしまっても、そこでチャレンジしたことを褒めてくれるし、まずはホッケーそのものを楽しむことがベースになっている」と紹介した。

女子サッカー選手のセクシュアルハラスメント被害の相談窓口を、なでしこケアで準備している大滝選手は「何がセクハラで、何がセクハラでないかの線引きが難しい。私たち自身も明確な答えは持っていないが、子供からきちんと話を聞き、一緒に考えることから始めることが大事だと考えている。私たちは同じ競技をしている先輩に当たる。保護者でも友達でもない、同じ競技の選手だからこそ相談できる。そんな窓口になれたら」と語った。

日下事務局長は、インターネット上で高校3年生を対象に、空手の「形」の演武を審査する「形インターネットGP(グランプリ)」の取り組みを報告。「380人を超える応募があり、いろいろな競技団体から反響があった。一方、組手は、安全具にフィルムを付けて感染防止対策をするなど、実現に向けて慎重に模索している。競技をずっと止めるわけにもいかない。新型コロナウイルスと共生しながらやっていくしかない」と話した。

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