高校生が起業を目指す課外活動 都立高初、千早高校で

高校生が起業を目指すPBL型の課外活動「起業ゼミ」が、10月から東京都立千早高校(小塩明伸校長、生徒621人)で始まった。創業支援事業を行う「ガイアックス」の社員が講師となり、生徒は投資を前提としたビジネスプラン作りに挑戦。プランの将来性が認められれば、同社から出資を受けられる。投資を前提とした起業家教育のプログラムは、都立高校で初めての試みとなる。

自ら考えたビジネスプランについて話し合う生徒ら

開校以来、英語とビジネス教育に特化したカリキュラムを展開している同校。起業ゼミは、外部と連携して社会貢献や企業活動を体験できる同校の課外活動「千早ビジネスプロジェクト」の一環として企画され、1~3年生の26人が参加した。

10月20日の放課後に行われた2回目のゼミでは、リーンキャンバスと呼ばれる事業アイデアを構想するフレームワークに基づいて、生徒が考えてきたビジネスプランについて、ガイアックスの社員がアドバイスしたり、プランで想定している仮説を顧客へのヒアリングなどから検証する方法を学んだりした。

参加した生徒は、周囲の生徒やガイアックスの社員と活発に意見交換しながら、自分のプランをより洗練させていった。

幼いころに、大変な母親を気遣ってあまり相談ができなかったという3年生の五十嵐優音(ゆうと)さんは「同じように悩みや相談を誰にも話せずに抱え込んでしまっている人がいるのではないか」と考え、個人的な悩みを匿名で相談できる悩み専用のSNSを提案しようとしている。「対面では相談がしにくいという人もいる。同じ悩みを抱えている人や同年代の人をSNSでつなげることができれば、苦しんでいる人が避難できる場になるのではないか」と話す。

和太鼓部の部長である2年生の大塚琴音さんは、周りに和太鼓に興味のある人が少なく、部員集めに苦労しているという自分自身の課題を発展させ、伝統文化の魅力をさまざまな切り口でアピールする方法を模索している。「例えば和太鼓であれば、ダイエットやストレス発散にもなる。そうした効果を知ってもらうことで、伝統文化に新しい価値を生み出すことができる」と説明した。

起業ゼミは全4回の構成で、次回までに生徒らは顧客のヒアリングを実施し、ビジネスプランをブラッシュアップ。10月末に行われる最終回では、ガイアックスで投資判断を担当している社員に対して、生徒がビジネスプランをプレゼンテーションし、内容次第では出資や起業に向けた支援を検討するという。

同校の親泊(おやどまり)寛昌主幹教諭は「本校では実際に在学中にビジネスアイデアを企業に提案し、採用された卒業生もいる。自分のアイデアがどこまで通用するのか、生徒たちは知りたがっている。投資されるチャンスがあるということが、モチベーションにつながっている」と手応えを感じていた。

【お詫びと訂正】五十嵐さんのご家族に関する記述で事実誤認があり、訂正しました。五十嵐さんをはじめ、ご関係の方々に深くお詫びします。

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