高校の通級指導、1085人受けられず 文科省が初調査

2018年度から制度化された高校での生徒の障害に応じた通級指導について、文科省は3月31日、19年度の各都道府県の実施状況を公表した。同省が高校の通級指導の実施状況を調べたのは初めて。通級指導が必要だと判断された2485人の生徒のうち、1085人が学校の指導体制が取れないことを理由に、通級指導が受けられなかったことが分かった。また、都道府県によってばらつきがあるなど、制度運用上の課題があらわに示される結果となった。

調査によると、私立や国立なども含めた全国の高校において、通級指導が必要と判断した生徒は▽全日制 1435人▽定時制 921人▽通信制129人――の計2485人。そのうち、実際に通級指導が行われたのは1006人と全体の40.5%にとどまった。

通級指導が行われなかった生徒の理由を見ると▽本人や保護者が希望しなかったため 337人▽指導体制が取れなかったため 1085人▽その他(不登校、転校・退学、20年度から実施予定など) 57人――。学校側の体制の問題で通級指導を受けられなかった生徒は、通級指導が行われている生徒を上回った。

また、通級による指導が必要と判断した生徒数を都道府県別にみると、最多は大阪府の259人で、次いで東京都の210人、岐阜県の186人、兵庫県の142人と続いた。一方で最低は栃木県の2人、次いで香川県の5人、山口県の6人、山形県、福島県の8人と、必ずしも高校生人口や高校の数と比例していない。

この結果について、文科省特別支援教育課の担当者は「ニーズのある生徒13人に対して1人の教員を配置することになっているため、そういった生徒がいる学校同士が離れているような場合に、教員を配置できないケースがあると考えられる。小中学校に比べて高校では、特別支援教育の専門性のある教員がまだ少なく、通級指導の知見も不足している」と指摘。現在改訂作業を進めている特別支援教育のガイドラインである「教育支援資料」などによって、都道府県ごとのばらつきの標準化なども図っていく考えを示している。

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