「ワクチン・検査パッケージ」を部活動に適用も 政府分科会

 政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の会合が9月3日開かれ、感染拡大が収まった後、ワクチンの接種歴やPCR検査の陰性結果などを基にした「ワクチン・検査パッケージ」を活用することで、制限緩和が考えられる活動の例などが示された。この中に「部活動における感染リスクの高い活動」が含まれ、尾身茂会長は「感染リスクが高いからと部活動をずっと止めるわけにもいかない。こうしたパッケージの活用で若い人もワクチンを打ってみようとなるかとか、国民的議論をしてほしい」と説明した。ただし、緊急事態宣言の解除などが大前提で、行動制限の緩和という誤ったメッセージと受け取らないでほしいとくぎを刺した。

「ワクチン・検査パッケージ」について説明する政府分科会の尾身会長

 同日の会合では、日常生活への制約が長引く中、ワクチンの接種率が向上しつつあることを踏まえ、希望者がほぼ接種を終える見通しの11月を想定し、日常生活がどう変わり得るかについてまとめた提言案が示された。「ワクチンだけでは制御困難」というのが専門家の総意だが、ワクチン接種歴にPCR検査の陰性結果などを加えた「ワクチン・検査パッケージ」を活用することで、どんな行動制限の緩和が考えられるか、「国民的議論のたたき台」として具体的な例が示された。

 この中で、▽医療機関や高齢者施設の患者・入所者との面会▽県境を越える出張や旅行――などに加えて、教育関係では▽感染拡大時に自粛してきた大学での対面授業▽部活動における感染リスクの高い活動――の2つが示された。

 尾身会長は「なかなか先生の顔を直接見ることができず、多くの学生にフラストレーションがある中、対面授業ができるようになる可能性がある。また、若い学生や高校生に、身体が接触する柔道などの部活動をずっと止めてくれというわけにはいかない。もちろん緊急事態宣言解除が前提だ」と述べた。

 さらに具体的な例に部活動を含めた理由として、「特に大学生や高校生は大人に近く、活動も激しいし接触もあるが、われわれの若いころを思い出せば、体を動かしたいと思うだろう。そうした中で、パッケージ活用によって彼らがそれならワクチンを打って検査を受けようとなるのか、それを学校でルール化するかエチケットにするかなど、議論してほしいと思う」と述べた。

 また、改めて今回の提言について、「これは国民的議論のキックオフで、一つの考えとして議論してほしいというのが考え方であり、行動制限の緩和と受け取らないでほしい。今後のウイルス変異の可能性など不透明な要素もあるが、なるべく早く国民的議論を進めてコンセンサスができるといいと思う」と強調した。

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