障害ある子の学習支援をコーヒーで 津田塾大生が呼び掛け

障害ある子の学習支援をコーヒーで 津田塾大生が呼び掛け
「まなキキ・ブレンド」の開発に携わった津田塾大大学院の濱松さん
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 障害のある子供たちのオンライン学習支援に取り組む津田塾大の学生らは12月27日、障害者就労支援に取り組むコーヒー店と共同開発したコーヒーを返礼品とするクラウドファンディングを開始した。収益は製造者の収入になるとともに、有償ボランティアや教材費など、オンライン学習支援の運営に充てられる。1日2杯のコーヒーで、週1回のオンライン家庭教師の派遣が可能になる。

 クラウドファンディングを行ったのは、同学インクルーシブ教育支援室の「Learning Crisis研究会 学びの危機プロジェクト」(通称「まなキキ」)のメンバー。2020年の一斉休校を機に、障害のある子供たちが抱える学びの困難を支援していく中で、1年以上かけて今回の取り組みを構想した。コーヒーの名称はプロジェクトにちなみ、「まなキキ・ブレンド」と名付けた。

 このコーヒーは今後、学習支援を受ける子供たちにも届けられる予定。同プロジェクト代表の柴田邦臣准教授は「コロナ禍で勉強に本気になれなかったり、休みがちになったりする子供がいる。勉強する意思や勇気を取り戻せない原因の一つに、同じ空間で人とつながる機会が減っていることがある。商材にコーヒーを選んだのは、オンライン学習という環境でも、同じコーヒーの香りという感覚を分かち合う機会を作りたかったから」と説明する。

 今回の取り組みの中心となった同学大学院後期博士課程1年の濱松若葉さんは「単にコーヒーを売るのではなく、利益を社会に還元していくというストーリーを伝えたくて、クラウドファンディングという手段を選んだ。子供たちには、コーヒーを作った人や工程にも注目してもらい、学びの教材としても活用していきたい」と話す。

 同プロジェクトのクラウドファンディングは「Makuake(マクアケ)」のサイトで受け付けている。27日午後2時の開始から、わずか7時間ほどで目標金額の30万5000円を達成したが、引き続き、期限の2022年2月27日まで支援することができる。

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