共通テスト、不正行為の対策強化 スマホは一斉に電源オフ

 大学入試センターは6月10日、来年1月に行われる大学入学共通テストの実施要項を公表した。今年の共通テストで電子機器類を使用した不正行為が発生したことを受け、監督者向けマニュアルに不正行為事例や確認すべきポイントを追記するほか、現在は受験生が各自で電源を切っているスマートフォンなどの電子機器類について、一斉に机上に出させて電源を切らせるなど、対策を強化する。

不正防止策について説明する大学入試センターの担当者

 大学入試センターは今年2月以降、有識者の協力を得て、不正行為防止策の基本的な考え方を取りまとめた。そこでは▽不正行為を行う者は極めて少数であり、大多数の者は誠実に受験しているため、受験者に対し過度な負担を強いるものではないこと▽大学(監督者など)の負担増により、試験の円滑な実施に支障が出ないこと▽2023年度共通テストにおいて効果が期待できること▽今後の技術的進展などに対し、適宜必要な検討を行うこと――の4点を盛り込んだ。

 これを踏まえ、大学(監督者)に対しては▽不正行為事例などの情報や、写真照合・試験時間中の巡視の際に確認すべきポイント(受験生の手の位置や視線など)をマニュアルで提供する▽試験室の規模などに応じて巡視の回数を増やすように要請する――といった方針のほか、スマートフォンなどの電子機器類については、監督者の指示で一斉に机上に出させて、電源を切らせてかばんなどにしまわせることとする方針を示した。これまでも監督・巡視のマニュアルは示していたが、特に注意してほしいポイントまで示したのは初めて。

 また受験に対しては、「受験案内」や「受験上の注意」に加え、試験当日に各受験者の机の上に貼る「受験番号票」にも、不正行為に関する注意事項や不正行為を行った場合の不利益(受験した全ての教科・科目の成績を無効とすることや、警察に被害届けを提出する場合があることなど)を記載する。さらに、新たにリーフレットを作成し全受験者に周知するとともに、高校などにも活用を促す。

 電波を妨害する装置や発信源を特定する装置の導入については当面、費用がかかり過ぎることなどを理由に見送るが、「今後、技術の進展に応じて改めて検討する」とした。また、スマートフォンなどの電源を一斉に切らせるなど対応を変更することについて、「一定の時間はかかると思うが、試験のスケジュールを見直すほどのものではない」との考えを示した。

 大学入試センターの担当者は「受験生には不正行為の重大性をちゃんと認識していただきたい。ほとんどの受験生はきちんと誠実に受験しているので、そういった方々の思いを受けながら、きちんと対策していきたい」と話した。

2023年1月に行われる大学入学共通テストのスケジュール

 来年の共通テストは1月14日・15日に本試験を、同28日・29日に追試験を実施する。受験案内の配布は今年9月1日から、出願期間は今年9月26日から10月6日まで。検定料は3教科以上を受験する場合1万8000円、2教科以下を受験する場合1万2000円で、検定料の払い込み期間は9月1日から10月6日まで。

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