15~24歳の女性の政治への意識 日本は世界と異なる傾向

15~24歳の女性の政治への意識 日本は世界と異なる傾向
iStock.com/LordHenriVoton
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 女性の政治参加をテーマに、世界29カ国の中高生から20台前半の若い世代の女性の意識を調べた報告書を、国際NGOのプラン・インターナショナルがこのほど公表した。政治家への期待や政治への参加のしやすさについて、日本は世界平均と比べて異なる傾向が浮き彫りとなった。

 プラン・インターナショナルでは毎年、国連の国際ガールズデーに合わせて「世界ガールズ・レポート」を発行。今年のテーマは「女の子と若い女性の政治参加」で、日本を含む29カ国の15~24歳の女性を対象に、2~4月にかけて各国1000人に電話やインターネットで調査を行った。参加国は、▽ギニア▽ケニア▽マラウイ▽ナイジェリア▽トーゴ▽ザンビア▽オーストラリア▽バングラデシュ▽インドネシア▽日本▽ネパール▽フィリピン▽ベトナム▽オーストリア▽ベルギー▽フランス▽ドイツ▽イタリア▽オランダ▽スペイン▽スウェーデン▽スイス▽英国▽ブラジル▽カナダ▽コロンビア▽エクアドル▽ペルー▽米国。

 政治的行動の優先順位が高いものを15項目の中から5つ選択してもらったところ、世界平均では「貧困と失業」(55%)、「紛争と平和、地域社会の暴力と犯罪」(53%)、「大気汚染や森林伐採を含む環境問題や気候変動」(52%)、「性と生殖に関する健康と権利を含む心身の健康」(47%)、「教育の機会提供」(41%)などが挙がった。政治的行動の優先事項としてリストアップされた課題を一つも選ばなかった回答者は、世界平均では3%程度だったが、日本では13%を占めていた。

 また、「政治的リーダーは女の子や若年女性のために行動すべきだ」という問いに対し、「同意する」と答えたのは、世界平均が31%なのに対して日本は19%、「同意しない」は世界平均が43%なのに対して日本は51%と、日本では政治的リーダーに対して否定的な認識が強い傾向にあった。

 

 さらに、身近なコミュニティーにいる自分よりも上の世代の女性の過去の状況と比較したとき、今の若い女性は政治に参加しやすくなったかを尋ねたところ、世界平均では容易になったと答える傾向にあるのに対し、日本では「同じ」という回答が半数を超えた(=グラフ)。

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