子どもは発達する過程で、自分で努力したり、工夫したりします。困ったり、悩んだりもします。苦戦することもあります。子どもの苦戦は「自助」のプロセスと言えますし、成長につながります。 しかし、自分だけでは解決できない苦戦に出合うことも、しばしばあります。
2015年、中教審から児童生徒が変化の激しい社会で生きていくための資質能力を獲得するために、学習指導、生徒指導、特別支援教育などを充実させることを示した「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(答申)が出されました。それ以降、「チームとしての学校(チーム学校)」が文部科学省の施策の大きな柱となっています。本稿では「生徒指導提要」で示された図を用いて、チーム学校について説明します。
多くの子どもが学校生活で苦戦しています。2022年度は、不登校の小中学生が約29万9千人(3.2%)となりました。「不登校」は学校に通っていないという状態を指す用語で、病気や障害の用語ではありません。スクールソーシャルワーカー(SSW)の経験が長い鈴木庸裕氏(2002)は、不登校の状態にある子どもを「在宅児童生徒」と言っています。不登校の状態は一人一人違います。
全ての子どもが発達する過程で、多くの大人の援助を必要としています。アフリカには「子どもを育てるには一つの村が必要だ」という有名な格言があります。日本でも「チーム学校」という方針が、行政の大きな柱となっています(文部科学省,2015)。
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