よく保護者の方から「この子は学校に行かないで将来自立できるのでしょうか」と相談を受けます。その子のことを思うからこその心配する気持ちです。自然なことだと思います。一方で私はその相談を受けるたびに、頭の中にはてなマークがたくさん浮かぶのです。「本当に不登校を経験すると自立できないのだろうか」と。
ある大学生が「教育とはなんであるか」について意見を聞きたいとフリースクールを訪問してくれたことがありました。不登校になる背景やフリースクールでの子どもたちの過ごし方を伝えた後、質問を受けました。「フリースクールでは学校のような『教育』は行われていないということですね」と。その学生さんにとっての教育とは何かを聞いてみると「学校の授業でやる数学とか」との答えが返ってきたので「私にとって教育とは、初めての出会いを一緒に楽しむことです」と伝えました。
私は不登校の子を持つ大勢の親御さんとやりとりをしてきました。「お母さんのほけんしつ」という約4000人の登録者がいる無料LINE相談窓口も運営しており、私だけでも1000人以上の親御さんの声を聞いてきて、気付いたことがあります。
私はこれまで約5年間、フリースクールを通して100人を超える不登校、行き渋りの子どもたちと関わってきました。一人一人がさまざまな背景によって不登校になっています。一般的に「不登校問題」と言われることが多いので、まるで不登校であることが問題であるかのように考えている方が多いと思いますが、実際には不登校は「結果」の状態であって、その裏側にはさまざまな生きづらさ、抱えているものがあるのです。
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