萩生田光一文科相は4月14日の衆院文科委で、文科省が始めた「#教師のバトン」プロジェクトに、教員らから労働環境の実態などに関する厳しい声が寄せられていることについて、「ツイッターは匿名なので、辛辣な意見も出ることは想定の範囲内だった。むしろ生の声を国民に見ていただくいい機会と受け止めている」と述べ、現場の声を真摯に受け止めて教員の働き方改革につなげたいとの姿勢を示した。
「#教師のバトン」は、長時間勤務などのマイナスイメージが広がりがちな中、教職を目指す学生などに教師の魅力をSNSで発信しようと、文科省が3月26日に始めたプロジェクト。学校現場での新しい教育実践の事例などを投稿してほしいと呼びかけたが、開始直後から「家族と一緒にごはんを食べた記憶がほぼない」「労働環境の改善をお願いしたい」など、厳しい環境の実態を訴える声や処遇改善を求める声が投稿されている。これについて14日の文科委で、藤田文武議員(維新)や畑野君枝議員(共産)が萩生田文科相の見解などを質した。
これに対し萩生田文科相は「長時間勤務の実態や部活動指導の重い負担を訴えるものなど、厳しい勤務の実態を訴える投稿が多く寄せられていると承知しているが、ツイッターは匿名なので、かなり辛辣な意見も出てくることは想定の範囲内だった。むしろ生の声を国民に一緒に見ていただいて、学校の先生のどこが大変なのか知っていただくいい機会になったと、前向きに受け止めている」と答弁した。
その上で「教員の働き方をこの機会に変えていこうというのが、われわれの大きなマインドなので、35人学級やGIGAスクール構想、免許更新制の在り方などをトータルで考えて、学生たちに教師はあこがれの職業だと思ってもらえる環境をつくっていきたい」と述べた。
また、「#教師のバトン」を巡り、これまでに国会や閣議後会見で「もう少し品のいい書き込みを」と話したことが批判を招いていることについて、「品良くと言ったのは、初期に『死ね』などと、ちょっと耐え難い書き込みがあったので申し上げた。しかし切り取られて、大臣が都合のいい発言だけをしろと言ったかのように言われている。引き続きご批判はどんどんしてほしい」とつけ加えた。