コロナのワクチン接種、子どもに「推奨」 日本小児科学会

コロナのワクチン接種、子どもに「推奨」 日本小児科学会
iStock.com/recep-bg
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 日本小児科学会はこのほど、5~17歳の新型コロナウイルスのワクチン接種について、見解を「意義がある」から「推奨する」に変更した。同学会は変更の理由について、ホームページで、「ワクチンに関する有効性と安全性に関する情報が多く蓄積され、子どもの重症化予防に寄与することが確認された。メリット(発症や重症化予防など)がデメリット(副反応など)をさらに大きく上回ると判断した」と説明した。

 同学会によると、新型コロナウイルス患者に占める10歳代以下の割合は、流行初期は低かったものの、今年1月以降は30%程度に増加。加えて、オミクロン株流行以降はクループ症候群(感染症によって引き起こされる子ども特有の呼吸症状の総称)や熱性けいれんが増加し、脳症、心筋炎などの重症例も報告されているほか、以前は少数だった重症例と死亡例も増加しているという。

 その上で、同学会は「世界各国からの大規模な研究成果が蓄積され、オミクロン株を含めて重症化予防効果が40~80%程度認められることが確認された」と報告。副反応についても、12~17歳の発生率は若年成人と同等で、5~11歳については症状がより軽いとし、子どもにおいてもワクチンの効果と安全性が確認されたとした。加えて、2回目の接種から5カ月以上経過した12~17歳の小児に対しては、早めの3回目接種も推奨した。

 一方、接種にあたっては、メリットとデメリットを本人と保護者が十分に理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応と同調圧力が加わらないような配慮が必要とした。加えて、接種後数日以内に胸痛、息切れ(呼吸困難)、動悸(どうき)、むくみといった心筋炎や心膜炎を疑う症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診し、新型コロナワクチンを受けたことを伝えるよう改めて呼び掛けた。

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