情報モラル教育の課題「保護者への啓発」 小中教員調査

情報モラル教育の課題「保護者への啓発」 小中教員調査
iStock.com/metamorworks
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 情報モラル教育の課題について、小中学校の教員を対象に㈱教育ネットがこのほど行ったアンケートの結果では、「児童・生徒より保護者への啓発が必要」が最も多かったほか、「忙しくて情報モラル教育に手が回らない」「授業を準備する時間がなかなかとれない」など、業務が多忙なために情報モラル教育にじっくりと取り組むことができないという実情もうかがえた。

 小中学校の新学習指導要領では、情報活⽤能⼒(情報モラルを含む)を⾔語能⼒と同様に「学習の基盤となる資質・能⼒」と位置付けている。文科省では携帯電話・スマートフォンやSNSが急速に普及するに伴い、児童生徒の間でいじめや犯罪被害なども生じているという状況のもと、自他を傷つけないなどの情報モラルを身に付けさせることが一層重要としており、学校における1人1台端末の拡大とともにその対策が急がれている。

 アンケートは同社が昨年行った教職員向けの研修の際に、小中学校の教員199人に対して実施した。

 情報モラル教育に対する課題について(複数回答)、「児童・生徒より保護者への啓発が必要」(40.2%)、「忙しくて情報モラル教育に手が回らない」(35.2%)、「児童・生徒が自分ごととして捉えているかが心配」(34.7%)、「最新の事例を収集するのが大変」(31.7%)とする声が並んだ。

 また、小学校と中学校別に結果をみてみると、小学校教員は「児童・生徒より保護者への啓発が必要」が 46.2%と一番多く、次いで「児童・生徒が自分ごととして捉えているかが心配」(36.4%)、「忙しくて情報モラル教育に手が回らない」(35.7%)の順。「自分自身が詳しくないので指導できるか不安」(32.2%)、「小学校低学年に対してどのように教えたらいいのかわからない」(18.2%)という率直な意見もあった。

 一方で中学校教員は「忙しくて情報モラル教育に手が回らない」(35.8%)、「トラブルが起きてからの事後指導がメインになってしまっている(トラブルが起きる前の事前指導が難しい」(34.0%)などのほか、「先生間で情報モラルの必要性について意識差がある」「最新の事例を収集するのが大変」「児童・生徒が自分ごととして捉えているかが心配」が各30.2%だった。

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