子どもの貧困問題に取り組むキッズドア基金は9月5日、経済的に困難な状況にある高校生に対し、大学や専門学校への受験に必要な準備資金を給付する「進学応援奨学金 2022 supported by 日本生命」の募集を始めた。入学後の奨学金制度にはさまざまなものがあり、充実しつつあるが、家庭の負担が大きい受験準備に関する費用に特化した奨学金は珍しく、同基金ではこの基金を活用することで、経済的な理由で受験を諦めたり、受験機会を制限されたりするのを少しでも解消していくことを目指している。

　日本生命保険相互会社が拠出するこの奨学金は昨年スタートし、今年で2回目。前回は高校3年生・浪人生200人の募集に対して1521人が応募し、391人に給付したため、今回は400人まで枠を増やした。申請のあった家庭の所得などを同基金で審査した上で、1人当たり5万円を給付する。受験料のほか、受験対策に必要な参考書の購入や模試の参加費用などに活用できる。

　申込は同基金の応募フォームで受け付けている。募集期間は9月5日～10月3日で、給付は11月末を予定。また、奨学金の使途や進学に関するアンケートに回答する必要がある。学校推薦型選抜や総合型選抜ですでに進学が決まっている場合、同基金が他に実施している「ゴールドマン・サックス大学受験給付型奨学金」を受給している場合は応募できない。