送迎バス事故受け安全対策取りまとめへ 関係府省会議

送迎バス事故受け安全対策取りまとめへ 関係府省会議
関係府省会議で発言する小倉こども政策担当相
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 静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で、送迎バスに置き去りにされた3歳女児が死亡した事件を受け、内閣府などは9月9日、具体的な安全対策を検討する「保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部におけるバス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する関係府省会議」の初会合を開いた。園児のバス送迎を行っている全国の施設で、緊急点検や実地調査などを行った上で安全管理マニュアルを策定するなど、10月をめどに園児の安全確保に向けた緊急対策を取りまとめる方針。

 同会議は岸田文雄首相からの指示を受け設置された。小倉将信こども政策担当相を議長として、内閣官房、内閣府、文科省、厚労省に加え警察庁、国交省がオブザーバー参加して構成。小倉担当相によると、岸田首相は「子供の安全に万全の対策を講じるため、送迎バスを有する全ての園に対して緊急点検を実施するとともに、都道府県や市町村の協力を得て実地調査を実施すること。第2に今回の事案がなぜ発生したのか、どのような問題があったかについて、関係者からのヒアリングなどを行って徹底的に洗い出すこと。第3に、子供の安全対策を強化するため、安全管理マニュアルの整備、登園管理システムの普及、送迎バスの安全装置改修支援など、再発防止に向けて具体的な緊急対策を10月中に取りまとめること」を指示したという。

 緊急点検は、福岡県中間市の保育園の送迎バスで発生した園児置き去り事件を受けて昨年8月に出された、安全管理の徹底に関する通知が適切に実施されているか、送迎バスを有する全ての施設を対象とし、報告を求める。さらに、地方自治体による実地調査も実施する。具体的な点検・調査項目としては、連絡がなく子供がいない場合の保護者への確認や職員間での情報共有の仕方、園児の乗車時、降車時の人数確認などのチェック体制、担任職員が降車した児童と当日の出欠に関する情報を突き合わせているか、確認内容の手順などの引継ぎを行っているか――などが想定されている。

 この日の会議で小倉担当相は「今日の会議後、早急に送迎バスを有する全施設において調査を開始する。3度目の事故はあってはならない。今日も子供を保育所、幼稚園あるいはこども園に預けている保護者は大勢いる。その方々の不安も一刻も早く解消しなければいけない。子供の命を守る責任を感じて、一生懸命働いている関係者もいる。そういった方々の精神的なストレス負担というものも、一刻も早く解消していかなければならない。政府としてやれることは何でもやるというような覚悟とスピード感を持って、検討を進めていきたい」と述べた。

 同会議は今後、9月中旬に有識者からのヒアリング、同月下旬に先進自治体からのヒアリングを行い、10月に静岡県の特別指導監査、緊急点検の結果やヒアリングを踏まえた緊急対策の取りまとめ、12月下旬以降に実地調査の状況報告などを予定している。

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