国際的に通用する大学入学資格が与えられる教育プログラム「国際バカロレア(IB)」を提供する、国際バカロレア機構のオッリペッカ・ヘイノネン事務局長が9月12日、文科省を訪れ、永岡桂子文科相と面会。間もなく10年を迎える両者の協力関係に感謝の意を表した。永岡文科相は「ぜひ現場の状況や、頑張っている姿を知っていただければと思う」と応じた。ヘイノネン事務局長は同日午後から、教育委員会やIB認定校をオンラインで視察した。
「国際バカロレア」は1968年に生まれた国際的な教育プログラム。グローバル化に対応できるスキルを身に付けた人材を育成するため、子どもの年齢に応じた教育プログラムを提供している。3~12歳の「初等教育課程(PYP)」、11~16歳の「中等教育課程(MYP)」、16~19歳の「ディプロマ教育課程(DP)」といったプログラムがあり、DPを2年間履修し、最終試験で所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得できる。
日本でも2013年の「日本再興戦略」において、「グローバル化に対応した教育を牽引する学校群の形成」としてIB認定校の大幅な増加を目指すことを示すと、文科省が18年度に「IB教育推進コンソーシアム」を設立し、導入を推進している。今年6月30日現在で、国内のIB認定校は177校。今年度中までに、候補校も含め200校以上にすることを目指している。
永岡文科相はIBについて、「世界中でグローバル化に対応した、素養や能力を有する優れた教育プログラムであるというように承知している。さまざまな取り組みを通じて、IBを推進しているところだ」と述べた。ヘイノネン氏は「協力関係がここまで進んだことに感謝している。協力関係が間もなく10周年を迎える中で、認定校や生徒数が増えているのは関係がうまくいっている証し」と応じ、引き続き協力関係を続けることを確認した。
文科省はIB教育について関心のある中日本地区の教育関係者や生徒・保護者などを対象に、9月25日午前10時から、静岡県庁(静岡市葵区)でセミナーを開催する。IBプログラムの理解を深める分科会やIB教員や修了生によるトークセッションなどが行われる。参加は無料で、専用フォームから申し込める。